Japanese Spidermanのインスタグラム(takemix5271) - 9月2日 16時48分

CK　Summer2009
この香りを嗅ぐと思い出す。
昔、僕にはソウルに好きな女性がいた。
当時23歳、社会人二年目、少女時代が流行る前のことだ。

結局、付き合うことはなかったが、今でも彼女と過ごしたソウルでの日々を思い出す。
空港まで迎えに来てもらい、事前にホテルまで予約してくれていた。
色んな場所にも連れて行ってくれた。
それなのに僕は日本から何一つお土産を持って来なかった。
そのため、感謝の気持ちを食事をご馳走することでしか示すことができなかった。
しかしサングラス、iPhone、パスポート、日用品以外で唯一、持ってきていたのが使いかけのこの香水。

一緒にいる間、彼女は僕の腕に寄りかかっては「いい香り」と言って腕を離さなかった。
別れ際、甘えてばかりで何もお礼ができなかったので、僕はこの香水と余ったウォンをすべて彼女に差し出した。
しかし律儀な彼女はウォンを受け取らなかった。 「ウォンは大丈夫。今度、ソウル来た時にご飯でもご馳走して。でもCKはもらっておくね、この香りを嗅ぐとタケミのこと思い出すから」と。
今では日本と韓国よりも遥かに遠い関係になってしまった。
未だに色々後悔している。
ただ、この香りを嗅ぐと、彼女と過ごした日々を一連のドラマのように思い出す。
廃版品なので、勿体ないからどうしても『空』にはできなかった。

しかし今日、当時買った値段の4倍であるが手に入れることができた。
今日は贅沢に3プッシュ使った。まだボトルには余裕がある。
このボトルが空になる頃にはもう僕は30代かもしれない。
もしかしたら次は手に入らないかもしれない。
それでも幻影で彼女に会えるのなら、こう言いたい。 「ありがとう」と。
今日はいい夢が見れそうだ。

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