【ガールズ・ビー・アンビシャス】 これまで人並みに恋愛もしてきましたし、片想いも幾度かやりました。告白したことだってあります(ただこれに関しては、一度たりともうまくいかなかった)。酸いも甘いも、まあそれなりに繰り返してきましたが、大人になるにつれ、純粋に恋をするなんてことはめったになくなりました。好きな人に「好きだーっ!」となりふり構わず伝えられるほど、自分も人間関係も単純じゃなくなったし、そもそも恋愛に振り回される時間も余裕もなくなってきた。いつまでも、夢見る少女じゃいられない、のですね我々は。大人になるって、つまんないですね。 先日、とある取材で押上に行きました。そう頻繁に来る場所でもないので、帰りにソラマチの中を徘徊してみました。ちょうどバレンタインフェア真っ盛りで、スイーツコーナーは大変な賑わいを見せていたのですが、その中でひときわ若い女子が群がっている店を発見。恐る恐る近づいてみると、はて、ここは原宿の竹下通りでしたかな?という工合のポップでカラフルな店構え。「メリファクチュリー」というアイシングクッキー専門店でした。店内の一角がバレンタインコーナーになっていて、そこに下町(かどうかは分かりませんが)の若い娘たちがこぞって釘付けになっていたのです。それはもうキャッキャしながら、ああでもないこうでもないと吟味する姿は実に愛おしく、同時に懐かしさが込み上げました。そうそう、バレンタインってこういう感じだったよなと。 彼女たちの情熱に満ちた眼差しに、すっかり心打たれてしまい、気づけば三十ウン歳の厄年女も、ほぼ衝動的に彼女たちと同じものを手に取っていたんですね。10代の女の子たちに紛れて、手描き風の「好きよ」の文字がキュートに躍るアイシングクッキーを握りしめ、堂々とレジに並んだ自分。その雄姿を思い出すだけで、熱い拍手を送りたい気分です。特に渡す相手も見つからぬまま、バレンタイン当日を迎えた今も、私の手の中でそのクッキーはやさしく語りかけます。「好きよ」……あれ、なんだか目頭が熱い。 冗談はさておき、大人だって、たまには夢見る少女のようにドキドキしたいものです。おそらく恋に勝るものはないでしょうけれど、ファッションでも疑似体験はできると思うんです。 というのも、昨年買った、このロジェ・ヴィヴィエのパンプス。アイコンのスクエアバックルをスパンコールで飾ったショッキングピンクは、まさにショッキングなほどにロマンティック。いつもメンズ服ばかりで色気のかけらもない私ですが、これを見たときは、地中奥深くに長年封印されていた乙女心が一気に覚醒したようでした。とにかく好きです!履かせてください!と本能的に思った一足です。 ただ、私の男勝りなワードローブではなかなかこの靴に合うスタイリングが難しく、なおかつスパンコールが取れやしないかと心配で、そんなに出番がないというのが実状。それでも、たまにこの靴を履いて出歩く日は、いつもと明らかに違う心の弾みを感じます。その日が、本当にほんの少しだけど、昨日よりも特別に思えるのです。 恋をすることも、ファッションを楽しむことも、長い人生の中では取るに足らないことだけれど、その一瞬の小さな幸せや希望が積み重なれば、いつかはかけがえのない豊かなものをもたらしてくれるはず。私はそう信じています。 それでは、ハッピーバレンタイン!ラブリーな日曜日を。(編集H) #happyvalentinesday #valentine #rogervivier #shoes #SPUR編集H

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SPURのインスタグラム(spurmagazine) - 2月14日 10時29分


【ガールズ・ビー・アンビシャス】
これまで人並みに恋愛もしてきましたし、片想いも幾度かやりました。告白したことだってあります(ただこれに関しては、一度たりともうまくいかなかった)。酸いも甘いも、まあそれなりに繰り返してきましたが、大人になるにつれ、純粋に恋をするなんてことはめったになくなりました。好きな人に「好きだーっ!」となりふり構わず伝えられるほど、自分も人間関係も単純じゃなくなったし、そもそも恋愛に振り回される時間も余裕もなくなってきた。いつまでも、夢見る少女じゃいられない、のですね我々は。大人になるって、つまんないですね。

先日、とある取材で押上に行きました。そう頻繁に来る場所でもないので、帰りにソラマチの中を徘徊してみました。ちょうどバレンタインフェア真っ盛りで、スイーツコーナーは大変な賑わいを見せていたのですが、その中でひときわ若い女子が群がっている店を発見。恐る恐る近づいてみると、はて、ここは原宿の竹下通りでしたかな?という工合のポップでカラフルな店構え。「メリファクチュリー」というアイシングクッキー専門店でした。店内の一角がバレンタインコーナーになっていて、そこに下町(かどうかは分かりませんが)の若い娘たちがこぞって釘付けになっていたのです。それはもうキャッキャしながら、ああでもないこうでもないと吟味する姿は実に愛おしく、同時に懐かしさが込み上げました。そうそう、バレンタインってこういう感じだったよなと。
彼女たちの情熱に満ちた眼差しに、すっかり心打たれてしまい、気づけば三十ウン歳の厄年女も、ほぼ衝動的に彼女たちと同じものを手に取っていたんですね。10代の女の子たちに紛れて、手描き風の「好きよ」の文字がキュートに躍るアイシングクッキーを握りしめ、堂々とレジに並んだ自分。その雄姿を思い出すだけで、熱い拍手を送りたい気分です。特に渡す相手も見つからぬまま、バレンタイン当日を迎えた今も、私の手の中でそのクッキーはやさしく語りかけます。「好きよ」……あれ、なんだか目頭が熱い。

冗談はさておき、大人だって、たまには夢見る少女のようにドキドキしたいものです。おそらく恋に勝るものはないでしょうけれど、ファッションでも疑似体験はできると思うんです。
というのも、昨年買った、このロジェ・ヴィヴィエのパンプス。アイコンのスクエアバックルをスパンコールで飾ったショッキングピンクは、まさにショッキングなほどにロマンティック。いつもメンズ服ばかりで色気のかけらもない私ですが、これを見たときは、地中奥深くに長年封印されていた乙女心が一気に覚醒したようでした。とにかく好きです!履かせてください!と本能的に思った一足です。
ただ、私の男勝りなワードローブではなかなかこの靴に合うスタイリングが難しく、なおかつスパンコールが取れやしないかと心配で、そんなに出番がないというのが実状。それでも、たまにこの靴を履いて出歩く日は、いつもと明らかに違う心の弾みを感じます。その日が、本当にほんの少しだけど、昨日よりも特別に思えるのです。

恋をすることも、ファッションを楽しむことも、長い人生の中では取るに足らないことだけれど、その一瞬の小さな幸せや希望が積み重なれば、いつかはかけがえのない豊かなものをもたらしてくれるはず。私はそう信じています。

それでは、ハッピーバレンタイン!ラブリーな日曜日を。(編集H)

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2016/2/14

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