朝一番、はるちゃんからメールが届いた。「いよいよ、今日は発売日ですね!仲間たちに拡散しました!」。 はるちゃんとは、ホテルニュー塩原の専属歌手・宇都ノ宮晃さんの声援隊のひとり。『一泊二日 観光ホテル案内』の撮影時に声をかけられ、連絡先を伺った。本の発売日が決まったら教えてほしい、30冊は買って配ると言ってくださったので、少し前にお知らせしたのだが、それから発売日を指折り数えていたという。 ホテルニュー塩原の目玉で、平日は毎晩開催される宇都ノ宮晃さんの歌謡ショー。最前列はほぼ常連や声援隊が陣取る中、初参加の私は「書かねば」という思いゆえ、果敢に常連ご婦人たちの中に紛れ込んだ。 ステージの幕開きをまだかまだかと、膝をさすりながら待っていると、隣席の老夫婦に「晃さんみにきたの?」と話しかけられた。常連や声援隊のみなさまは、ほぼほぼ60歳を超えている。私くらいの年齢の女性が一番前に座るのは珍しいことで、さっきから気になっていたそうだ。「晃さんのショーはね、これがいるのよ。あなたに差し上げるわ」品よく話す奥さまが差し出してくれたのは、スイッチを押すとぴかぴか七色に光る電飾の団扇だった。続いて浴衣姿の旦那さまも口を開く。「私は医者を辞めてから、温泉通いがしたくてね。妻に付き添いここに通いはじめたら、私まで晃さんのファンになっちゃって」。 ショーがはじまり、隣席の奥さまがステージ上の晃さんに駆け寄り、1本500円のおひねりレイの束を首にかけたり、ハンカチで晃さんの汗を拭き出したときも、旦那さまは機嫌よさそうに微笑みながら、光る団扇をぱたぱたと振っていた。 声援隊の中でボス的な貫禄を醸し、もっとも大きな声と振りで目立っていたはるちゃんが、メロメロと晃さんの余韻に浸る私の腕を掴んだのは、ショーが終わってからだ。「私、はるちゃんていうの。あなた、晃を取材に来てくれたの。よく来てくれたわ。ありがとう」。唐突に泣き出すはるちゃんに、あっけにとられる私の手の中で、電飾団扇はまたたき続ける。そのあと、はるちゃんは写真やキーホルダーや晃さんグッズをプレゼントしてくれて、さらに私の姿を写してとポーズを決めるので、何枚か写真を撮らせてもらった。「晃も私も、SNSで拡散してね!」。 翌朝はまた、別の老夫婦に話しかけられた。2人とも80歳代で、旦那さまは杖をついていた。「年金暮らししているけど、2月に一度、晃さんのショーに通うようになって、パワーもらって、それまで車椅子だったのが、これ使って歩けるようになったの」。旦那さまはひょいと杖を掲げてみせた。 晃さんはキリストか。それとも、ときめきという効能をふりまく人間温泉か。ちなみに宇都ノ宮晃さんは北海道出身で、栃木に命を捧げようと、「宇都宮」と「日光=晃」に改名したそうだ。 近々また、宇都ノ宮晃さんと、はるちゃんはじめ晃さんの声援隊に会いに、ニュー塩原に行かねばです。 追記 たったいま、またはるちゃんからメールが届く。10冊注文しました!知り合いのブティックにも置いてもらいます!引き続き拡散します! はるちゃんの拡散に感謝感謝。 #観光ホテル旅案内

minori_louleさん(@minori_loule)が投稿した動画 -

甲斐みのりのインスタグラム(minori_loule) - 12月1日 11時31分


朝一番、はるちゃんからメールが届いた。「いよいよ、今日は発売日ですね!仲間たちに拡散しました!」。
はるちゃんとは、ホテルニュー塩原の専属歌手・宇都ノ宮晃さんの声援隊のひとり。『一泊二日 観光ホテル案内』の撮影時に声をかけられ、連絡先を伺った。本の発売日が決まったら教えてほしい、30冊は買って配ると言ってくださったので、少し前にお知らせしたのだが、それから発売日を指折り数えていたという。
ホテルニュー塩原の目玉で、平日は毎晩開催される宇都ノ宮晃さんの歌謡ショー。最前列はほぼ常連や声援隊が陣取る中、初参加の私は「書かねば」という思いゆえ、果敢に常連ご婦人たちの中に紛れ込んだ。
ステージの幕開きをまだかまだかと、膝をさすりながら待っていると、隣席の老夫婦に「晃さんみにきたの?」と話しかけられた。常連や声援隊のみなさまは、ほぼほぼ60歳を超えている。私くらいの年齢の女性が一番前に座るのは珍しいことで、さっきから気になっていたそうだ。「晃さんのショーはね、これがいるのよ。あなたに差し上げるわ」品よく話す奥さまが差し出してくれたのは、スイッチを押すとぴかぴか七色に光る電飾の団扇だった。続いて浴衣姿の旦那さまも口を開く。「私は医者を辞めてから、温泉通いがしたくてね。妻に付き添いここに通いはじめたら、私まで晃さんのファンになっちゃって」。
ショーがはじまり、隣席の奥さまがステージ上の晃さんに駆け寄り、1本500円のおひねりレイの束を首にかけたり、ハンカチで晃さんの汗を拭き出したときも、旦那さまは機嫌よさそうに微笑みながら、光る団扇をぱたぱたと振っていた。
声援隊の中でボス的な貫禄を醸し、もっとも大きな声と振りで目立っていたはるちゃんが、メロメロと晃さんの余韻に浸る私の腕を掴んだのは、ショーが終わってからだ。「私、はるちゃんていうの。あなた、晃を取材に来てくれたの。よく来てくれたわ。ありがとう」。唐突に泣き出すはるちゃんに、あっけにとられる私の手の中で、電飾団扇はまたたき続ける。そのあと、はるちゃんは写真やキーホルダーや晃さんグッズをプレゼントしてくれて、さらに私の姿を写してとポーズを決めるので、何枚か写真を撮らせてもらった。「晃も私も、SNSで拡散してね!」。
翌朝はまた、別の老夫婦に話しかけられた。2人とも80歳代で、旦那さまは杖をついていた。「年金暮らししているけど、2月に一度、晃さんのショーに通うようになって、パワーもらって、それまで車椅子だったのが、これ使って歩けるようになったの」。旦那さまはひょいと杖を掲げてみせた。
晃さんはキリストか。それとも、ときめきという効能をふりまく人間温泉か。ちなみに宇都ノ宮晃さんは北海道出身で、栃木に命を捧げようと、「宇都宮」と「日光=晃」に改名したそうだ。

近々また、宇都ノ宮晃さんと、はるちゃんはじめ晃さんの声援隊に会いに、ニュー塩原に行かねばです。

追記
たったいま、またはるちゃんからメールが届く。10冊注文しました!知り合いのブティックにも置いてもらいます!引き続き拡散します!
はるちゃんの拡散に感謝感謝。

#観光ホテル旅案内


[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)

>> 飲む日焼け止め!「UVシールド」を購入する

124

0

2016/12/1

甲斐みのりを見た方におすすめの有名人