コテツの記憶⑩ 1〜2時間後、呼ばれて告げられたのは 「恐らく先天性の心臓奇形です」 心臓が異様に大きく、何かしらの不具合が起きていて、お腹に水が溜まっています、と。抜いた水を見せてもらいましたが、200mlもありました。お水を抜く前に計ったコテツの体重は1.2キロ、まだ全部抜けていないそうなので、1キロ未満の体にこれだけの量の水が溜まっていたなんてどれだけ苦しかっただろうと思うと… 手術をすれば治るかも知れないし、治らないかも知れない。体が小さいから手術には耐えられないかも知れない、するとしても心臓の手術は数百万単位でかかってきます。寿命は出すのは難しく、コテツくんの体力次第です。 獣医さんに説明されながら、どんどん身体中の血の気が引いていくのを感じてました。血の気が引くってのは比喩でもなんでもなく本当に起きることなんだなって。身体中から血を抜かれているような、頭のてっぺんからつま先までが徐々に冷えていくような。次第に視界に白いモヤがかかってきて立ってることも難しくなってきたので、診察台に手をついてなんとか堪えながら説明を聞きました。 「連れて帰ることも出来ますし、こちらの病院が朝6時までなのでそれまで酸素室に入れて預かっておくことも出来ます。どちらにしても、容態が急変することはあり得ます。どちらにされますか?」 ヨウダイガキュウヘン。 まさか、自分の飼っている猫にこの言葉を使うときが来るなんて、と考えながらも「まさか」というのは起こることなんだと…余裕が無いはずの頭でも、どこかでそんなことをぼんやり考えていました。 あまりにも急なことで頭が働かず考えられなかったので、それを伝えたら 「分かりました。では、また考えてお返事してください。コテツくん今は落ち着いていますので、顔見られますか?」と。 勿論はいと答えましたが、ほんの数歩だけでも歩くことが出来ず、壁を支えにコテツの顔を見に行きました。たった数時間ぶりに見るコテツがなんだかとても久しぶりに思えて、顔を見たいのですが視界の白いモヤがどんどん大きくなってきて、なかなか顔が見えません。 「よく頑張ったね、コテツ。大変だったね」と声を掛けて、やっとの思いで待合室へ戻りました。 心臓、奇形、余命、容態…信じられないような言葉が次々と襲ってきてまともな思考が全く働きませんでしたが、そんな中でも心に決まっていたのは「連れて帰りたい」ということでした。 「私のわがままかも知れない、コテツにとっては酸素室にいたほうが楽かも知れないけど…どこに居てもどうなるか分からないのなら、私はコテツに会っていたい」 落ち着いて考えてもその気持ちが変わることはなかったので、獣医さんにそう伝えてコテツを連れて帰ることにしました。 気がつけば、時間は午前3時をまわっていました。 #猫 #キジトラ #我が家のコテツくん #コテツの記憶 #うっ血性右心不全

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ぽんずのインスタグラム(ponzu1024) - 3月4日 18時24分


コテツの記憶⑩
1〜2時間後、呼ばれて告げられたのは
「恐らく先天性の心臓奇形です」
心臓が異様に大きく、何かしらの不具合が起きていて、お腹に水が溜まっています、と。抜いた水を見せてもらいましたが、200mlもありました。お水を抜く前に計ったコテツの体重は1.2キロ、まだ全部抜けていないそうなので、1キロ未満の体にこれだけの量の水が溜まっていたなんてどれだけ苦しかっただろうと思うと…
手術をすれば治るかも知れないし、治らないかも知れない。体が小さいから手術には耐えられないかも知れない、するとしても心臓の手術は数百万単位でかかってきます。寿命は出すのは難しく、コテツくんの体力次第です。
獣医さんに説明されながら、どんどん身体中の血の気が引いていくのを感じてました。血の気が引くってのは比喩でもなんでもなく本当に起きることなんだなって。身体中から血を抜かれているような、頭のてっぺんからつま先までが徐々に冷えていくような。次第に視界に白いモヤがかかってきて立ってることも難しくなってきたので、診察台に手をついてなんとか堪えながら説明を聞きました。
「連れて帰ることも出来ますし、こちらの病院が朝6時までなのでそれまで酸素室に入れて預かっておくことも出来ます。どちらにしても、容態が急変することはあり得ます。どちらにされますか?」
ヨウダイガキュウヘン。
まさか、自分の飼っている猫にこの言葉を使うときが来るなんて、と考えながらも「まさか」というのは起こることなんだと…余裕が無いはずの頭でも、どこかでそんなことをぼんやり考えていました。
あまりにも急なことで頭が働かず考えられなかったので、それを伝えたら
「分かりました。では、また考えてお返事してください。コテツくん今は落ち着いていますので、顔見られますか?」と。
勿論はいと答えましたが、ほんの数歩だけでも歩くことが出来ず、壁を支えにコテツの顔を見に行きました。たった数時間ぶりに見るコテツがなんだかとても久しぶりに思えて、顔を見たいのですが視界の白いモヤがどんどん大きくなってきて、なかなか顔が見えません。
「よく頑張ったね、コテツ。大変だったね」と声を掛けて、やっとの思いで待合室へ戻りました。
心臓、奇形、余命、容態…信じられないような言葉が次々と襲ってきてまともな思考が全く働きませんでしたが、そんな中でも心に決まっていたのは「連れて帰りたい」ということでした。
「私のわがままかも知れない、コテツにとっては酸素室にいたほうが楽かも知れないけど…どこに居てもどうなるか分からないのなら、私はコテツに会っていたい」
落ち着いて考えてもその気持ちが変わることはなかったので、獣医さんにそう伝えてコテツを連れて帰ることにしました。
気がつけば、時間は午前3時をまわっていました。
#猫 #キジトラ
#我が家のコテツくん
#コテツの記憶
#うっ血性右心不全


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2017/3/4

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