「何かにつまずいている自分に気づいたら。」 ・ 何をやっても空回り。あれ、何だかうまくいかないなぁ〜…。ときどき、そんな時期に陥ることがあります。 仕事では、壁にぶつかって。家に帰っても、悶々と後ろ向きに考えてしまう。そういうときは、大好きなビールだって美味しく飲めない。映画を何本観ても、なんだか気持ちが晴れない。 ・ そんなとき、ダメダメな自分を最後に助けてくれるのは、意外にも「料理」だったりします。それも難しいレシピではなく、ごくごく簡単なもの。 ・ 肩を落としながらも、まずは台所に立って。冷蔵庫にあった、キャベツと油揚げを刻む。 それは昔、一緒に暮らしていた祖母がよく作ってくれた「キャベツと油揚げの炒め煮」。ざっくり切ったキャベツと油揚げを油で炒めて、お醤油とみりんでさっと煮つけた、とってもとってもカンタンな一品です。 ・ 小さな頃のわたしは、このおかずが大の好物だったので、それを知っている祖母はいつも鍋いっぱいに作ってくれました。 ・ ごくごく素朴な味だけど、口いっぱいに広がる、キャベツの甘さ。 くったりと味が染みた油揚げ。 出来たても温かくて美味しいし、ちょっと置いて冷まして、いっそう味が染みた頃合いのも好き。白いごはんがすすむし、お弁当のおかずにもなります。 ・ 小学生のころだったか、祖母が作ったできたてのそれを、鍋ごと食卓に運ぼうとして(鍋ごと食べたかった欲張りものです)、手がすべって床にまるごとひっくり返してしまい、悲しくて情けなくて大泣きしたこともありました…苦笑 祖母はせっかく作ったのに!とピリリともせず、火傷をしてないかのほうを心配してくれて、また新しいのを作ってくれたっけ。 ・ 冷蔵庫にキャベツと油揚げさえあれば、たとえ元気がなくても、すぐに作れる。 味つけだって失敗がないから、難しいことを考えなくて済む。 出来上がって、食卓に並べるころには、「だいじょうぶ、ちゃんと美味しく作れた」と、ひと安心して、ちょっとだけネガティブモードの自分から抜け出せるような気がするのです。 ・ だから、時に、何かにつまづいている自分に気づいたら、この料理を作ります。 東京で一人暮らしを始めたときも、何度も何度も作ったし、夫と暮らしている今もなお。 ・ そして、これを食べているときだけは、祖母と暮らしていたときの、泣き虫の甘ったれで、祖母の手料理をいつもお腹いっぱいに食べていた、あの小さな頃の自分に戻ったような気がして、なんだかホッとするのです。 ・ 今までたくさん、そしてきっとこれからもお世話になるであろう、大切な「味」。 そんな味を残してくれた祖母に、改めて感謝です。 (テキスト:バイヤー松田) ・ #北欧暮らしの道具店

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北欧、暮らしの道具店のインスタグラム(hokuoh_kurashi) - 4月11日 18時06分


「何かにつまずいている自分に気づいたら。」

何をやっても空回り。あれ、何だかうまくいかないなぁ〜…。ときどき、そんな時期に陥ることがあります。
仕事では、壁にぶつかって。家に帰っても、悶々と後ろ向きに考えてしまう。そういうときは、大好きなビールだって美味しく飲めない。映画を何本観ても、なんだか気持ちが晴れない。

そんなとき、ダメダメな自分を最後に助けてくれるのは、意外にも「料理」だったりします。それも難しいレシピではなく、ごくごく簡単なもの。

肩を落としながらも、まずは台所に立って。冷蔵庫にあった、キャベツと油揚げを刻む。
それは昔、一緒に暮らしていた祖母がよく作ってくれた「キャベツと油揚げの炒め煮」。ざっくり切ったキャベツと油揚げを油で炒めて、お醤油とみりんでさっと煮つけた、とってもとってもカンタンな一品です。

小さな頃のわたしは、このおかずが大の好物だったので、それを知っている祖母はいつも鍋いっぱいに作ってくれました。

ごくごく素朴な味だけど、口いっぱいに広がる、キャベツの甘さ。
くったりと味が染みた油揚げ。
出来たても温かくて美味しいし、ちょっと置いて冷まして、いっそう味が染みた頃合いのも好き。白いごはんがすすむし、お弁当のおかずにもなります。

小学生のころだったか、祖母が作ったできたてのそれを、鍋ごと食卓に運ぼうとして(鍋ごと食べたかった欲張りものです)、手がすべって床にまるごとひっくり返してしまい、悲しくて情けなくて大泣きしたこともありました…苦笑
祖母はせっかく作ったのに!とピリリともせず、火傷をしてないかのほうを心配してくれて、また新しいのを作ってくれたっけ。

冷蔵庫にキャベツと油揚げさえあれば、たとえ元気がなくても、すぐに作れる。
味つけだって失敗がないから、難しいことを考えなくて済む。
出来上がって、食卓に並べるころには、「だいじょうぶ、ちゃんと美味しく作れた」と、ひと安心して、ちょっとだけネガティブモードの自分から抜け出せるような気がするのです。

だから、時に、何かにつまづいている自分に気づいたら、この料理を作ります。
東京で一人暮らしを始めたときも、何度も何度も作ったし、夫と暮らしている今もなお。

そして、これを食べているときだけは、祖母と暮らしていたときの、泣き虫の甘ったれで、祖母の手料理をいつもお腹いっぱいに食べていた、あの小さな頃の自分に戻ったような気がして、なんだかホッとするのです。

今までたくさん、そしてきっとこれからもお世話になるであろう、大切な「味」。
そんな味を残してくれた祖母に、改めて感謝です。
(テキスト:バイヤー松田)

#北欧暮らしの道具店


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2017/4/11

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