佐藤嘉洋のインスタグラム(yoshihirosato1981) - 4月27日 12時39分
私は毎日ラーメンを食べている。
どんぶりの中に店主一人ひとりの人生が詰まっているからだ。
私はその人生を解き明かさなくてはならない。
ここは老夫婦と引っ込み思案な息子とで営なまれている。
息子にとって、ラーメンは生きる意味を与えてくれた希望そのものだった。
若い頃、息子はどこへ働きに出ても、ひどいパワハラを受けて否応無く退職に追い込まれ、合コンに出かければ、人を蹴落として自分の価値を上げたように見せかけてイイ気になる友達モドキにコケにされ、だんだん人と会うのも億劫になり、自然と引きこもるようになった。
ある日、「ちょっとアンタ、うちの店手伝いなさいよ」と母親が慈愛に満ちた表情で、しかしそれとなく自分たちの店に誘った。
開店直後、渋々水を出したり、暗い表情で挨拶をしたりしていると、初めての客が帰り際に「美味しかったよ!また来るわ!」と笑顔で出て行った。
自分の両親の作るラーメンは、そんなに美味しいのか。
来る人来る人が「ご馳走さまでした!」と明るい表情になって帰っていく。
息子は皿洗いをしながら、自然と笑みが溢れていた。
人に必要とされるって、こんなに気持ちの良いものなんだ。
夜も暮れて閉店間際で人がまばらになった頃、息子は満面の笑みで「ありがとうございました!またどうぞ〜!」と晴れやかに客を送り出すようになっていた。
それを目の当たりにした夫婦は、愛する息子のあまりの変わりように、夫は麺を茹でながら、妻はチャーシューとメンマを乗せながら……涙を流していた。
炭水化物の麺、たんぱく質のチャーシュー、食物繊維のメンマ、ビタミンのネギ、それさえあれば一週間は生き永らえられる塩分。
ラーメンは…誰かにとって、生きるための総合栄養食なのだ!! という作り話を妄想しながら、今日も自分に言い訳して1杯食べ終えました。
さあ、今日もそれなりに働こう。
#ラーメン
#好来系
#浄心
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2017/4/27