桂さんのインスタグラム写真 - (桂Instagram)「兼て耳驚したる二堂、開帳す。経堂は三将の像を残し、光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す。七宝散りうせて、玉の扉風に破れ、金の柱、霜雪に朽て、既、退廃空虚の草村となるへきを、四面、新に囲み、甍を覆て風雨を凌、暫時、千歳の記念とはなれり。五月雨や年とし降て五百たひ蛍火の昼は消えつゝ柱かな地の文は同じなのに、発句が全然違う上に、二句もある。従前伝えられている『奥の細道』では「五月雨の降りのこしてや光堂」の一句であるのに、『芭蕉自筆奥の細道』では「五月雨や年とし降て五百たひ」「蛍火の昼は消えつゝ柱かな」の二句である。初見の際、私が絶句した理由をおわかりいただけるだろうか。そもそも意味が違いすぎるじゃないか。ひとつはっきりしていることは、奥州藤原氏の滅亡が文治元年、１１８５年、芭蕉が平泉を訪れたのが元禄二年、１６８９年であるから、五月雨が毎年降って五百回になる、という発句の意味するところは、歴史的な側面については、ほぼ正確なのである。五百回、五月雨が降る、つまり、五百年も経てば、光堂もぱっとしない、まさに退廃空虚の叢になりそうなありさまだ、というのが、あとの発句の意味するところで、これは、曾良本と呼ばれるものには記載されているので、本来、あるはずの句だということなのだろう。「五月雨の降りのこしてや光堂」では、五月雨は光堂だけは避けて降っているかのように、光堂はその名の通りひかりかがやいている、という意味になる。蛍火の発句の、ぱっとしない感じと、明らかに矛盾するから、通常表記されていない、ということなのだろう。しかし。年どし降りて五百たび、か。なるほど。 #matsuobasho #okunohosomichi #basho #haiku #hokku #travelnotes #travel #japaneasecalligraphy #caligraphy #classicalliterature #text #textbook #松尾芭蕉 #芭蕉自筆奥の細道 #奥の細道 #俳諧 #発句 #紀行文 #俳文紀行 #チャート式基礎からの古文 #基礎古文 #緑チャート #チャート式 #テキスト #岩波書店 #数研出版」9月16日 15時59分