偕成社のインスタグラム(kaiseisha_pr) - 8月6日 11時41分
【今週のおすすめ】8月、歴史と向きあう季節。戦争・原爆を考える本4冊
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8月15日は、終戦の日。そして8月6日、9日は、広島・長崎に原爆が投下された日です。毎年8月になると、多くの人が「戦争と平和」について考えます。
きょうは、それぞれちがう視点からえがかれた4冊をご紹介します。
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1冊目は、松谷みよ子さんの絵本『まちんと』です。
原爆にあったちいさな女の子は、トマトを口に入れてもらうと、「まちんと、まちんと(もっと、もっと)」と欲しがりました。母親はトマトを探しに町に出ますが、焼けおちた町にトマトはなく、戻ってみると女の子は息をひきとっていました。
そして女の子は鳥になり、今も、「まちんと、まちんと」となきながら飛んでいるのです……
心にささる言葉、司修さんが魂をこめて描いた絵が、その凄惨さや悲しさを、子どもにも大人にも強く訴えかけます。
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2冊目はノンフィクション。笹森恵子(しげこ)さんの半生を紹介する『シゲコ! ヒロシマから海をわたって』です。
シゲコが原爆にあったのは、13歳のとき。ひどいやけどを負い、指がくっつき、頰は皮膚がはがれてピンク色になり、くちびるはめくれ上がり、と、その体には辛いあとが残りました。
それでも、シゲコはそうした悲しみに負けずに前へ進みます。
その後、縁あって、やけどをアメリカで治療するプロジェクトのメンバーとなり、渡米します。アメリカで彼女たちは「ヒロシマ・ガールズ」とよばれ、歓待をうけました。プロジェクトを進めたノーマン・カズンズ氏との交流から、のちに再びアメリカに行って看護師を目指します。
80歳をこえた現在もアメリカに住んでいる恵子さん。各地で戦争や原爆を語りつぐ活動を続けています。
力強く、あかるく生きる恵子さんから、パワーをもらえる一冊です。
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3冊目は、先月発売されたばかりの新刊『ある晴れた夏の朝』。アメリカ在住の小手鞠るいさんによる読み物です。
アメリカの高校に通う15歳のメイは、先輩たちから、夏休みにおこなわれる公開討論会への参加を求められます。テーマは、広島・長崎に落とされた原子爆弾の是非について。肯定派、否定派、それぞれのメンバーは、日系人のメイのほか、アイルランド系、中国系、ユダヤ系、アフリカ系と、そのルーツはさまざま。メイは、逡巡しながらも、このイベントに参加することを決めます。そしてそれが、彼女の人生を変える大きなきっかけになります。
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4冊目は、人ではなく「木」から原爆を考えるノンフィクション読み物、『広島の木に会いにいく』です。
いま広島は、ゆたかな海と山に囲まれ、たくさんの人がにぎやかに暮らす街になっています。街の中にはたくさんの木々があり、その暮らしに寄りそっています。その木の一部は、実は、原爆をたえて生き続ける「被爆樹木」です。
被爆樹木にはプレートがついていて、その木が被爆樹木であること、種類、爆心地からの距離、かんたんな説明が書いてあります。木の根を見ると、爆心地側の根のはり方が少なく、反対側に多く根がはっているのがわかったりします。1本1本の木に、原爆の記憶、そのときから現在までの歴史が現れているのです。
戦争を経験した方が亡くなられたあとも、木がその歴史を伝えてくれる……被爆樹木は、戦争の遺物という役割も担っています。
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いかがでしたでしょうか? それぞれちがったアプローチで戦争や原爆について考えることができる4冊。合わせて読むと、よりこのテーマへの理解が深まるかもしれません。この夏、ぜひお手にとってみてくださいね。
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2018/8/6