母のガンが再発してしまった。 昨年10月の検査のとき、経過が良いので抗がん剤を半分に減らして『ずいぶん楽になった』と喜んでいたのもつかの間。 一報を受けて、あまりのショックでしばらくなにもできなくなった。身動きできない放心のなかで、必死に『私がこんなんでどうするよ』と立ち直りを図ってみたものの、自分の病が発覚したときより何百倍もショックを受けていることにもショックを受けた。母を愛しているゆえ、こんなにもショックなのかと人生が恐ろしくなった。これから私は、どれだけ愛する人の苦境をこんな風に受け止めなくてはいけないのかと暗澹たる気持ちになった。 案の定、眠れなくて、朝早く目が覚めてしまい、ベッドのなかで絶望をウロウロするうちに、パンドラの匣の奥底に残っていた希望が目についた。私はなにをそこまで悲観的にしか考えられなかったのかと。 母は今この瞬間生きている。確かなのはそれだけで、私は母が一番いいように支えていこう。そう思えたら、急に腹が減った。空腹は、今を思い出させてくれる。なにかを正気にさせてくれる。現実とはかくも手厳しく、床にひっくり返って手足をジタバタさせながら子供みたいに泣きたくなることの連続だけれども、できることは、なかなかなくならない。できることがあるうちは、絶望なんて甘えたことを簡単に言っちゃいけないのだ。食べます。 #猫沢飯

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猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 2月22日 08時38分


母のガンが再発してしまった。
昨年10月の検査のとき、経過が良いので抗がん剤を半分に減らして『ずいぶん楽になった』と喜んでいたのもつかの間。

一報を受けて、あまりのショックでしばらくなにもできなくなった。身動きできない放心のなかで、必死に『私がこんなんでどうするよ』と立ち直りを図ってみたものの、自分の病が発覚したときより何百倍もショックを受けていることにもショックを受けた。母を愛しているゆえ、こんなにもショックなのかと人生が恐ろしくなった。これから私は、どれだけ愛する人の苦境をこんな風に受け止めなくてはいけないのかと暗澹たる気持ちになった。

案の定、眠れなくて、朝早く目が覚めてしまい、ベッドのなかで絶望をウロウロするうちに、パンドラの匣の奥底に残っていた希望が目についた。私はなにをそこまで悲観的にしか考えられなかったのかと。

母は今この瞬間生きている。確かなのはそれだけで、私は母が一番いいように支えていこう。そう思えたら、急に腹が減った。空腹は、今を思い出させてくれる。なにかを正気にさせてくれる。現実とはかくも手厳しく、床にひっくり返って手足をジタバタさせながら子供みたいに泣きたくなることの連続だけれども、できることは、なかなかなくならない。できることがあるうちは、絶望なんて甘えたことを簡単に言っちゃいけないのだ。食べます。

#猫沢飯


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2019/2/22

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