大下ヒロトのインスタグラム(hiroto_mitsuyo) - 4月29日 21時25分
青春日記【いつか月でサッカーでもしようよ】
平成最後という言葉が嫌いだ。
平成最後の夏という言葉が流行った時、山際君がイライラしながら言った。「何が平成最後の夏だ。俺は常に最後だと思って生きてるわ!」
その通りだ。人生最後の夏だと思え!そもそも、そんなこと言いだしたら他の年の夏が可哀想じゃないか!
けど、どうしてなんだろう。最後というのはやっぱり寂しい。最後という言葉は、いつも以上にベッドから出ようと思える。いつも以上に誰かに会いたくなる。何かをしたくなる。だから最後という言葉は、必要なのかもしれないとも思った。
だって、自分がこうやって文を書いているのも平成最後に何かを書きたいと思っているからであって。
4月1日。午前11時に目が覚めて、今日は新元号が発表される日だという事を思い出した。
僕は、直ぐに奥の部屋で寝ている山内彰馬君を起こしに行った。いつもなら絶対に起きない彼も、僕が「もう直ぐ新元号が発表されるんだよ。」と言うと慌てた様に僕の部屋にやって来た。
僕らはテレビの画面に釘付けだった。
今から、まだ誰も知らない言葉が生まれようとしているのだ。
11時30分から11分遅れて新元号が発表された。
僕と山内君は新元号が発表されてから近所の定食屋でご飯を食べていた。定食屋のテレビで、新元号の意味について誰かが話していた。
新元号、令和。「明日への希望と共に、日本人1人ひとりが大きな花を咲かせる」
1人ひとり。凄い言葉だ。
今まで出会ってきた人も、まだ出会ってない人も。1人ひとり。色んな人の顔が浮かんだ。
今日、この言葉を聞いた時みたいに、1人ひとりの事を考える時間をずっと大切にしたい。
2人で、「うん。いい言葉だね。」と話した。
幸せな気持ちになり、いつもだったら嫌なはずの、山内君が押し付ける嫌いな食べ物たちを食べるのですら、愛おしく感じる。
そもそも、どうして奥の部屋で山内君が寝ているのかを説明しよう。
実は、僕は2月に引っ越しをした。
4月から、上京してくる弟と2人暮しをするので、家を広くする必要があった。
2月の頭、山内君が家を無くしたという話を聞いた。
そこで僕は山内君に電話をかけた。
「しょうまー。弟が上京するまでの2ヶ月間、一緒に住まない?」
「いいな!最高!」
即決だった。そんな訳で山内君との2ヶ月間の同居生活が始まったのであった。
(山内君との2ヶ月間の思い出はコラムに書こうと思ってますので、是非見て下さい)
少し遡り、2月28日。僕は21歳の誕生日を迎えた。
下北沢を散歩していると2ヶ月間京都で映画の仕事をしている山際君から電話が掛かってきた。
「今なにしてるの?家?」
「下北で散歩してるけど。」
「へえ。そうなんだ」
「え、何?まだ京都なんだよね?」
「うん。いや何してんのかなぁと思って。」
「ん?暇で電話してきてるの?それなら切るよ。俺は誕生日なんだ。お前と電話してる暇なんてないんだ。」
「あーもう言うわ!俺東京帰ってきて今、代田橋で飲んでる!サプライズでヒロトの家行こうと思ってた!けど飲も!」
どうしてそんな嬉しいサプライズを簡単にバラしてしまうんだ。馬鹿野郎。
僕は直ぐに山際君がいる居酒屋に向かった。
そこには2ヶ月ぶりに会う山際君がいた。
「ヒロトって、いつか絶対一戸建ての家を建てるって言ってたよね?だから、とりあえずこれが必要かなぁと思って。」
「え、なに??」
「土地。」
僕は山際君から誕生日プレゼントで土地を貰った。
どでかい封筒を開けると、土地の権利書と、なぜか月の地図が入っていた。
「え、これなに?」
「ああ、月の土地だよ」
月の左下の辺に赤い印が入っていた。どうやら、ここが僕の所有する月の土地らしい。
サッカー場くらいの大きさだった。なんて誕生日プレゼントなんだ。
これで、もしも人類が月に行けたなら、みんなで月でサッカーができるね。その時は、皆んなも招待しようと思う。
他にも、色んな方に誕生日プレゼントを頂きました。最後の誕生日プレゼントは僕のマネージャーさんからの二本の仕事の電話。電話が終わって、自分の事のように喜んでくれた友達たちの顔を一生忘れないと思う。
#大下ヒロト青春日記
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2019/4/29