大下ヒロトさんのインスタグラム写真 - (大下ヒロトInstagram)「青春日記【最近のこと。①】  渋谷を歩いていると、僕くらいの年齢の男が2人で歩いていた。 1人はシャンパンを持っていて、もう1人はスマートフォンで、シャンパンを持っている男を撮っていた。 シャンパン男が、大声を上げると、勢いよくコルクが渋谷の空に向かって飛んで行った。 「じゃあそれは一体誰が捨てるんだよ」と、僕は口の中で言った。そして、飲み込んだ。 見なければいいのだ。きっと、見なければ楽なのだ。それから僕は目を寄り目気味にして、わざとピントを合わさず、歩いた。  朝起きると、携帯に「ご利用料金のお支払い確認が取れておりません。本日中に06-xxxx-xxxx お客様センター迄ご連絡ください。」とメッセージが届いていた。 僕は、何かの支払いが遅れたのかと思い、すぐにそこに書いてある電話番号に電話をかけた。 何コールかしてから、若い男性が電話に出た。 メッセージが届いていて、この会社に電話を掛けた事を伝えると、「あ、そうでしたか。で、でしたら、ま、まず、お客様のお名前と、じゅ、住所を教えて下さい。」と言われた。 なんだ。このおぼつかない感じ。 その瞬間、頭の中に「詐欺じゃないか?」という発想が生まれた。 確かに、よく考えてみればそうだ。詐欺かもしれない。 電話の向こうでは、色んな人の話し声が聞こえている。だが、まだ確信は持てなかった。 これで、「詐欺ですよね!切りますからね!」なんて言って、もし詐欺じゃなかったらとんでもない。僕がただの未納者になってしまう。 よし。質問をしよう。詐欺だという確信が必要なのだ。 「失礼ですが、あなたはこの会社に勤めて、何年目ですか?」 「1年目です。」 そんなはずがない。きっと1年も電話対応の仕事をしていれば、それなりに上手くなるはずだ。そんなことを考えてしまうくらい、彼は言葉を詰まらせている。 攻めよう。 「1年目にしては、なにか、マニュアルを見ながら話してるように僕は聞こえるのですが、どうですかね?」 「そうですか。も、申し訳ございません。」 「僕はですね、少し不安なんです。この電話、詐欺だったらどうしようと思って。だからしっかり聞きます。これは詐欺でしょうか?」 「さ、詐欺ではございません。」 「認めてくれたら、警察には言いません。 僕は、ただ、あなたに詐欺をやめてほしいだけなんです。」 「詐欺ではございません。」 「分かりました。一度考えさせてください。考えてから、電話をもう一度掛けます。」 電話を切ってから、彼らが名乗っている会社についてしっかり調べた。この会社のホームページを見つけたところ、真っ先に「詐欺に注意!」という文字が書かれていた。 どういう事だと思い、詳しく調べてみるとホームページに掲載されてる電話番号は、さっき僕が電話していた番号とは違っていた。 ホームページの電話番号に電話を掛けて、一通り説明した。 「はい。詐欺です。今あなたがおっしゃった電話番号は、私達の会社ではありません。」 詐欺じゃないか!完全に詐欺じゃないか。  もう一度、詐欺グループの電話番号に電話を掛けると、さっきとは別の人が出た。 「どのようなご用件ですか?」 「先程の方と話した後、ホームページに掲載されてる電話番号にかけたところ、詐欺です。と言われました。」 「はい。それでどうしてこの電話番号にもう一度掛けてきたんですか?」 「詐欺と認めてほしいんです。先程僕が電話した方と代わって欲しいです。」 「そう言った対応は、受け答えできませんので、電話を切らせていただきます。」 「おい!ちょっと待ってくれ!間違ってる!」 僕は少し声を大きくしてしまった。 「単細胞ですねぇ!!動物的ですねぇ!! お前らみたいな貧乏人に興味はないんですよねぇ!」 急に本性を出してきた。これはテレビでよくみるやつだ!と思った。 貧乏人というワードには、かなりダメージを食らったが。 「貧乏人ですか。、そうです。僕は貧乏人ですが、人から騙して、お金を取るなんて事は絶対にしません!」 そこで電話は切れた。 やはり、誰かの不幸でお金を稼ぐのは、よくない事だと思った。けど、誰だって変わる事は出来ると思う。僕はそれを信じてるだけだ。 3年前、父親に金が無いと相談した時を思い出した。  その時、父親は、笑いながら「死ぬほど、全力でアルバイトしろ。死ぬほど働く以外、方法ないよ。まだ余裕。」と言った。 あの時、もっと死ぬ気で生きてみようって思ったんだよなと。 #大下ヒロト青春日記」8月5日 20時09分 - hiroto_mitsuyo

大下ヒロトのインスタグラム(hiroto_mitsuyo) - 8月5日 20時09分


青春日記【最近のこと。①】

渋谷を歩いていると、僕くらいの年齢の男が2人で歩いていた。
1人はシャンパンを持っていて、もう1人はスマートフォンで、シャンパンを持っている男を撮っていた。
シャンパン男が、大声を上げると、勢いよくコルクが渋谷の空に向かって飛んで行った。
「じゃあそれは一体誰が捨てるんだよ」と、僕は口の中で言った。そして、飲み込んだ。
見なければいいのだ。きっと、見なければ楽なのだ。それから僕は目を寄り目気味にして、わざとピントを合わさず、歩いた。

朝起きると、携帯に「ご利用料金のお支払い確認が取れておりません。本日中に06-xxxx-xxxx お客様センター迄ご連絡ください。」とメッセージが届いていた。
僕は、何かの支払いが遅れたのかと思い、すぐにそこに書いてある電話番号に電話をかけた。
何コールかしてから、若い男性が電話に出た。
メッセージが届いていて、この会社に電話を掛けた事を伝えると、「あ、そうでしたか。で、でしたら、ま、まず、お客様のお名前と、じゅ、住所を教えて下さい。」と言われた。
なんだ。このおぼつかない感じ。
その瞬間、頭の中に「詐欺じゃないか?」という発想が生まれた。
確かに、よく考えてみればそうだ。詐欺かもしれない。
電話の向こうでは、色んな人の話し声が聞こえている。だが、まだ確信は持てなかった。
これで、「詐欺ですよね!切りますからね!」なんて言って、もし詐欺じゃなかったらとんでもない。僕がただの未納者になってしまう。
よし。質問をしよう。詐欺だという確信が必要なのだ。
「失礼ですが、あなたはこの会社に勤めて、何年目ですか?」
「1年目です。」
そんなはずがない。きっと1年も電話対応の仕事をしていれば、それなりに上手くなるはずだ。そんなことを考えてしまうくらい、彼は言葉を詰まらせている。
攻めよう。
「1年目にしては、なにか、マニュアルを見ながら話してるように僕は聞こえるのですが、どうですかね?」
「そうですか。も、申し訳ございません。」
「僕はですね、少し不安なんです。この電話、詐欺だったらどうしようと思って。だからしっかり聞きます。これは詐欺でしょうか?」
「さ、詐欺ではございません。」
「認めてくれたら、警察には言いません。
僕は、ただ、あなたに詐欺をやめてほしいだけなんです。」
「詐欺ではございません。」
「分かりました。一度考えさせてください。考えてから、電話をもう一度掛けます。」 電話を切ってから、彼らが名乗っている会社についてしっかり調べた。この会社のホームページを見つけたところ、真っ先に「詐欺に注意!」という文字が書かれていた。
どういう事だと思い、詳しく調べてみるとホームページに掲載されてる電話番号は、さっき僕が電話していた番号とは違っていた。
ホームページの電話番号に電話を掛けて、一通り説明した。
「はい。詐欺です。今あなたがおっしゃった電話番号は、私達の会社ではありません。」
詐欺じゃないか!完全に詐欺じゃないか。

もう一度、詐欺グループの電話番号に電話を掛けると、さっきとは別の人が出た。
「どのようなご用件ですか?」
「先程の方と話した後、ホームページに掲載されてる電話番号にかけたところ、詐欺です。と言われました。」
「はい。それでどうしてこの電話番号にもう一度掛けてきたんですか?」
「詐欺と認めてほしいんです。先程僕が電話した方と代わって欲しいです。」
「そう言った対応は、受け答えできませんので、電話を切らせていただきます。」
「おい!ちょっと待ってくれ!間違ってる!」
僕は少し声を大きくしてしまった。
「単細胞ですねぇ!!動物的ですねぇ!!
お前らみたいな貧乏人に興味はないんですよねぇ!」
急に本性を出してきた。これはテレビでよくみるやつだ!と思った。
貧乏人というワードには、かなりダメージを食らったが。
「貧乏人ですか。、そうです。僕は貧乏人ですが、人から騙して、お金を取るなんて事は絶対にしません!」
そこで電話は切れた。
やはり、誰かの不幸でお金を稼ぐのは、よくない事だと思った。けど、誰だって変わる事は出来ると思う。僕はそれを信じてるだけだ。
3年前、父親に金が無いと相談した時を思い出した。

その時、父親は、笑いながら「死ぬほど、全力でアルバイトしろ。死ぬほど働く以外、方法ないよ。まだ余裕。」と言った。
あの時、もっと死ぬ気で生きてみようって思ったんだよなと。
#大下ヒロト青春日記


[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)

>> 飲む日焼け止め!「UVシールド」を購入する

3,855

29

2019/8/5

大下ヒロトを見た方におすすめの有名人