TBS NEWSのインスタグラム(tbsnews_insta) - 8月23日 09時09分

【WORLD 15sec】
TBS報道局カメラマンが"タテガタ"で切り取る世界

逃亡犯条例の改正案をめぐって抗議活動が続く香港。
週末恒例の大規模な抗議集会は18日も行われ、私たちも上海支局から取材に行きました。 “Be Water”
この言葉がいま香港の抗議活動で市民のひとつの標語のようになっています。
行進する人が自作のプラカードに記入したり、若者を心配する市民がこの言葉で注意を促したりする場面に何度も遭遇しました。

もともとは香港のアクションスター、ブルース・リーが残したこの言葉。
ちょっと長くなりますが引用しますと、
“Empty your mind, be formless, shapeless - like water.
Now you put water into a cup, it becomes the cup, you put water into a bottle, it becomes the bottle, you put in a teapot, it becomes the teapot.
Now water can flow or it can crash. Be water, my friend.”
「心を空にしろ。水のように形をなくすんだ。
水はカップに注いだらカップに、ボトルに注げばボトルに、ティーポットに入れたらティーポットの形になる。水はなめらかに流れることも、ものを砕いたり壊したりすることもできる。水になるんだ、友よ」

形にとらわれず、臨機応変に対応しよう、といった意味が込められていると感じます。

この言葉を体現するかのように、最近の抗議活動では、場所や手法を時々刻々と変えていきます。大量の人数を１か所に集めて長時間にわたって占拠したかと思えば、あるグループは警察署を包囲し、あるグループは地下鉄の運行を妨害したりと、短期集中型ともゲリラ的ともいえる手法に変化させているのです。

強い雨が降りしきる18日の集会。会場となった公園は、みるみるうちに、集まった市民であふれんばかりの状態になりました。その時、主催者が呼びかけた言葉が「流水式集会」。まさに、“Be Water”の手法です。参加者たちは幹線道路に水のように流れ出し、夜遅くまで行進を続けました。

結果的にこの日は、6月の抗議開始以来２番目に多い170万人（主催者発表）が参加するデモ行進となりました。ただ、いつもと違ったのは、警察が出動しなかったことです。若者らも、デモの後、自主的に解散しました。デモ隊との衝突で警察が度々使用する催涙ガスは使われることなく、デモは平和裏に終わりました。 “Be Water”
地元の英雄の名言が、思わぬところで市民の心の支えとなっていることに、強く心を打たれた取材となりました。 （撮影：上海支局　清水洵平）

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