長田 佳子のインスタグラム(foodremedies.caco) - 9月21日 18時16分
天然生活 復刊記念2号
'農福連携の幸せなハーブ園'
金沢のハーブ園を取材させていただきました。
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今日、ある方に逢って話せて
勇気をもらえたので私なりに出来ることをと思い、
そこを訪ねたきっかけについて
ここに書かせていただこうと思いました。
(雑多な文章でごめんなさいそして珍しく
とても長いです…)
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菓子屋の仕事についていた20代の後半、パティシエという職業に悩みながら、この先どうしていこうかと考えていた時、
休みの日にデイサービスでのカフェや、障害をもつ子供に向けてお手伝いができないかと
たまたま区役所の福祉事業部の門をたたきました。
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当時読んでいた本の影響もあり、
人生の中で、'ゆたかさ’ ということにはじめて向き合った時期であったかもしれません。
本の中に、'心の寂しさが一番の貧しさだと書いてあることに衝撃を受けたことを覚えています。
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子供の頃は近所に障害者の養護学校もあったため、
団子のように仲良くくっついて登校していく子達を遠目に見かけたり、
私自身も一緒に登校するチームの中に言語障害をもつ子がいたりと、
いつも素直でムードメーカーの彼らがうらやましいところがありとても身近な存在でした。
ところが気がついたらいつのまにか彼らと一緒に学んだり、時間を共にすることがなくなっていて…。
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区役所の方は、私の職種をもとに福祉工房のお菓子チームの厨房に案内してくれました。
彼らはシフォンケーキやマドレーヌをつくっていて、
そこに私に進んで教えられることはなく、ただ黙々と仕事に取り組む彼らのサポートをすることだけでした。
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’今までどこにいたの?’
’どうしてたの?’
’仕事を持っていてすごいね!’
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私はお菓子作りを通して、彼らと会話を交わしたい気持ちでいっぱいになりました。
新米の私にこうするんだよと教えてくれる人、
いつもと違う人物がやってきたことになんとなく気が進まない人。
様々な気配で迎えてくれ、
長い時を経て、彼らが一瞬で日常の中に帰ってきたように思えたのでした。
(その福祉事業所で時間を一緒にさせていただいたのは約1年くらい。施設内のお祭りに参加して一区切りさせてもらいました。)
それから10年以上が経ち、再びたずねる時間が持てるようになったので、
またボランティア活動のために施設に問い合わせたところ、’もうお菓子作りのチームとその環境はなくしてしまったのです’というお返事に、
行き場のない気持ちになりました。
あんなに技術のあった働き者の彼らはどこへ行ったのかな…と気になるばかりでした。
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ハーブ園を訪れた際に会話の中で、
オーナーである澤邊さんが、'障害のある彼らが一番障害者であるということを理解しているんですよ'
とおっしゃられたことはとても感慨深かった。
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苦手なこと、できないとことを
健常者である私たちは体感しながら成長し、逃げ道も探すことができます。
ですが、彼らはまわりの方の声を頼りに、なるべく怒らせないようにとか、はみ出さないようにとか、
感覚や感情より自分の輪郭みたいなものを常に意識しながらその中で生きているのかもしれないと感じました。
そんな思い込みをしてきたら、色々なバランスを崩すに違いないですよね。
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いろいろなひっかかりをきっかけに
改めて、お菓子作りをする上での’ゆたかさ’ということに向き合ってみると、
信頼できる素材に出逢えることはもちろんですが、
農家さんで廃棄してしまう果物を分けていただいたり、働き口の無い方と一緒にハーブ畑を作ったり、
将来はおかし作りも障害のある方と一緒に取り組めたらという夢が浮かんできます。
自分で人生の選択ができる人、
理想を持てる人は頑張れるけれど、
弱い立場の方もたくさんいますね。
そんな方たちと一緒に仕事を作っていけることができたならと自然と思うようになっていました。
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今回取材をさせていただき、
澤邊さんたちの関わり方を知り、ケアーも含めた労力は計り知れないです。
でも人の成長とともに商品が前を向いていくということ、すごく正しいことだと思いました。
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自分に取り組んでみたい夢が増える度に職人としてはいつまでたってもベテランにはなれないかもしれない…
と感じます。
でもこれから羽ばたこうとされているペザンさんの存在を知ったとき、
もう迷わなくていいんだと思えました。
お手本となるペザンさんの活動を応援しながら、学んでいきたいことがたくさんあります。
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私はたまたま紹介していただいたハーブの品質がすばらしくて、体が喜んでいるのがわかったときに、
この作り手さんの元を訪ねてみたい!素直にそう思ったわけですが、
ペザンさんの根本の体制が”農福連携”だったことには、奇跡的な感動がありました。
澤邊さんやスタッフの九里さんのおおらかで強い願いと、働く皆さんの素直な気持ちが作物に宿り
ハーブを通して、心の深いところへ一枚のお便りをもらった気持ちでした。
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天然生活さんでは5ページにわたって紹介されています。
是非、農福連携という取り組みを知っていただけましたら幸いです。
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文章 玉木美企子さん
@mikiko0705
写真 森本菜穂子さん
@nahokomorimoto
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2019/9/21