遠山正道のインスタグラム(masatoyama) - 4月29日 11時12分

研究所裏。
朝の散歩。槍が先の裏に歩いたことのない道を発見し進むと恵比寿に抜けた。防衛省の向こうを歩くと陽に焼けた「研究所裏」のバス停。当時きっと担当者は研究所東や研究所南などを提案したが裏になってしまったのでは、とその無念さを感じながら茶屋坂裏をすぎる。今日は休日なのでいつもよりずっと遠いコースになってもかまわない。袋小路に何度か追い返されたりしながら裏道をどこいくでもなく迷うように歩いていると、なんと目黒駅に出会した。私は心底驚いた。（心底驚いたという表現は伊東豊雄氏から仙台メディアテークでの海藻のような構造図案をファックスで受け取った構造設計家のファックスを見た時の表現でありお気に入りだったがここでこの表現を初めて使うことになるとは）目黒駅とは全く想定していなかったが、私の方向音痴と適当な性格に今日は感謝した。折角目黒に出会したのでいっそのこと白金へと庭園美術館から自然教育園の向こうを回った。康一郎とよく遊んだエリアだ。もう50年も前のこと。この辺りだと、あとは白金トンネル横からガーデンプレイスに抜ければよいかとまた道に迷うように歩いた。突き当たりがあれば右か左かマイナーな方を選んだ。ちょっと広めの通りに出てしまったが、幸い知らぬ場所だったので見なかったことにしてそのまま突き抜ける。そのまま歩いていると、なんとその通りの先に目に入った景色は、広尾ではないか！うっすら恵比寿方面的に思っていた私は心底驚いた（一日の中に二度も海藻に出会うとは）。人は驚くと笑ってしまうという体験も得た。
家を出てから90分は経っていたので、日赤通りの果てではさすがに右と左の分別をつけながらの帰路についた。
私には、研究所裏や南を語る資格なんてないのだということは分かった。
しかし、30年ほど住んでいる家から徒歩圏内の概ね知っていると思っていたエリアを歩きながら全く想定していなかった場所に出会して驚けるという体験は貴重だ。
あなたには可能だろうか？
私はこの先も驚けるだろうか？
すべてはコロナのせいだ。
ありがとう。
@stylistshibutsu

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