The Fashion Postのインスタグラム(tfpjp) - 6月13日 07時25分


#portraits jim jarmusch

📌ゾンビ映画を通してジム・ジャームッシュが伝える処世術』

—本作では、メインキャスト以外にも多くの個性豊かな俳優陣が登場しています。このようなキャスティングについて、最初の段階からイメージされていましたか?

これまでにも、『デッドマン』や『コーヒー&シガレッツ』(2003) のような作品で大人数のキャストというのはやってきているのですが、そもそも僕自身が好きな監督の作品に大人数キャストのものが多いような気がします。

例えば Wes Anderson (ウェス・アンダーソン)。彼の場合は、素晴らしい俳優ばかりを集めて、小さな役にまで割り振っている。俳優たちもそういうアイディアを気に入ってやっているように見えますよね。そんな彼のようなやり方をすごく尊敬しています。

それから Paul Thomas Anderson (ポール・トーマス・アンダーソン) も、それぞれすごく才能がある幅広いキャストを起用したりしていますね。

映画の歴史を振り返ってみても、多くの俳優を起用した素晴らしい作品がたくさんある。例えば『おかしなおかしなおかしな世界』(1963) とか、60年代初期の『予期せぬ出来事』(1963)、Blake Edwards (ブレイク・エドワーズ) 監督の『グレートレース』(1965) とか。
つまり、優れた俳優達を多くキャストするという前例が映画の歴史にはこれまでもあったわけです。

僕の場合は、今回の脚本を書いている時から、僕が一番好きな俳優ばかりに出てもらおうと思っていました。それで彼らがやりたいと言ってくれるかどうか見てみよう、という感じでね。

また、これまで仕事をしたことがなかったような俳優とも仕事がしたいと思いました。例えば Caleb Landry Jones (ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)とか、Danny Glover (ダニー・グローバー) は長年好きだったんだけど、これまで一度も一緒に仕事をしたことがなかったし、Austin Butler (オースティン・バトラー) も才能のある若い俳優で注目していました。

それから Selena Gomez (セリーナ・ゴメス) も昔から尊敬していて仕事をしてみたかった女優の1人ですね。結果的に、今回多くの素晴らしい俳優と一緒に仕事できて、本当にラッキーだったし、すごく撮影が楽しみでした。

—なかでも、Bill Murray (ビル・マーレイ) や Iggy Pop (イギー・ポップ)、Tom Waits (トム・ウェイツ) などはあなたの作品を語る上で欠かせないキャストだと思います。改めて振り返ったときに、あなたが何度も仕事をしたくなるキャストたちに共通する部分はなんでしょうか。

僕はいつも俳優をすごく本能的に選んでいるので答えるのが難しいですね。実際に会った時のバイブスとか。会うことで自分が好きかどうか分かるから、自分の本能を信頼してきての結果ということになる。それを分析して答えるのはちょっと難しいんです。

ただ彼らに共通して言えるのは、人間的にも素晴らしくて、お互いが尊敬できて、コラボレーションができる俳優だということ。それは間違いない。つまり、一緒に何かを作ろうとしてくれる人だと思います。そして僕のアイディアを僕が考えている以上のものにしてくれる人達であるということは間違いないですね。

—劇中には、コーヒーゾンビや wi-fi ゾンビなどユーモアたっぷりのゾンビたちがたくさん登場しますが、もしあなたがこの世界でゾンビになったら何ゾンビになったと思いますか?

きっと僕は本屋さんの外で待っているようなゾンビになるんじゃないかと思います。またはレコード屋さんとか映画館とかね。きっとその3つのうちのどれかですね。

interview & text: mikiko ichitani
translation: akemi nakamura

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2020/6/13

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