The Fashion Postのインスタグラム(tfpjp) - 10月8日 17時37分


#portraits Maiko Kurogouchi

『「窓にカーテンを選ぶように、生地を選びました」 黒河内真衣子』

― 昔のカーテンを思い出す質感、柄。いろんなディテールが表現されているのに気づきます。

カーテンの独特の艶を表現したいと思って、断面が角ばったナイロンの糸をシルクに混ぜてみました。偏光するので光が当たった時に水面のように輝いて、柄が浮かび上がるんです。昔の磨りガラスで見かけたような柄のニットもあります。これは靴下を編むようなハイゲージの機械で編むことで、繊細な表現ができています。

カーテンが風を孕んで膨らむようなシルエットを出したセットアップは、遮光カーテンをイメージして作りました。シルクノイルのような節感をポリエステルで表現しているので、光沢がありながらイージーケアなんです。軽くて着やすい感じも、現代の遮光カーテンぽいかなと。あと、カーテンと花瓶がある窓枠のシーンをそのままデザインした服もあります。花は、自粛期間中に自分の家に飾っていたアヤメやユリの花を図案化しています。Mame でよく使う植物や自然のモチーフは、いつも旅先でサンプリングしているのですが、今回は、自宅での生花が中心です。枯れた花、押し花にした花、生花のスケッチなどが、ダイレクトに洋服になっています。

― キーカラーは、やっぱり白でしょうか。コンセプトムービーも、白いヴェールをかけたようなトーンが印象的でした。

記憶を思い出す時に浮かぶシーンって、なんだか白いなと思ったのがはじまり。そして必ずしも美しい映像ばかりではない。哀愁だったり、不安な感覚だったり。そういう感情のレイヤーと、カーテンのヴェールを潜っていくような、不思議な感覚を重ねた映像にしようということになりました。

今回、映像は奥山由之さんに監督を依頼しました。8mmのフィルムカメラで撮った 5:4 の比率のままなんですが、実はスマホでいつも見ている画角に近かったりして。むしろ今の視聴スタイルにマッチしているよね、という面白さもあります。

― ヴィジュアルも世界観を優先した、ポエティックな48枚のシリーズ。

ランウェイではできない、デジタルだからこそ伝わるものをやろうと想いました。ヴィジュアルは野田祐一郎さんにお願いして、場所は、自分のホームグラウンドである長野を選びました。窓とドレスの組み合わせを決めるのが、無限のパズルのピースを合わせていくような作業で、ものすごい時間がかかりましたが、信頼する仲間たちととことん突き詰めて撮影することができたのは、本当に久しぶりでよかった。窓の前にいたり、窓から入る自然光を捉えたり。すべての写真に少しずつ、窓の要素が入っています。

Yoshiyuki Okuyama
📷 Yuichiro Noda

interview & text: Miwa Goroku

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2020/10/8

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