草刈民代のインスタグラム(tamiyo_kusakari_official) - 11月20日 17時29分


牧阿佐美バレエ団60年史より。

アリシア・マルコワ、アレクサンドラ・ダニロワと牧阿佐美先生。

この写真、よく昔のプログラムに載ってました。

マルコワもダニロワも当時のスターバレリーナ。
阿佐美先生は20歳の頃アメリカに留学してダニロワ先生に師事しています。

私も、23歳の頃にNYを訪れた折、School of American ballet でダニロワ先生のクラスを受けたことがありました。

その頃ダニロワ先生は80歳を過ぎていらしたはずですが、レオタードをお召しになって教えていらっしゃいました。

ダニロワ先生のクラスは阿佐美先生のクラスととても近いものがありました。クラスを受けながら、自分のバレエのルーツに触れたような気持ちになったことを覚えています。

2枚目は16歳の頃の私の作文です。これは、A.Mステューデンツの第一回公演のプログラム用に書いたもの。16歳にしては拙い文章でお恥ずかしい(汗)。

A.M.スチューデンツとは、牧阿佐美先生がプロフェッショナルなダンサーを育てるためにお作りになったクラスです。一期生の私たちから、今、何期生までになっているのかわかりませんが、牧阿佐美バレエ団のみならず、海外で活動をしたり、振付家になった人もいて、改めてA.Mの実績に驚かされます。

60年史によると、A.M.ステューデンツの発足が1979年。私が14歳の頃です。

クラスは1時間半。そしてその後の阿佐美先生の話が1時間。あるいはそれ以上!毎週毎週稽古の後に色々なお話を聞いていたわけですが、阿佐美先生が亡くなって色んなことを思いだしているうちに、その頃聞いていた話、聞かされた話が、表現者としての私の土台になっていることに気付きました。

阿佐美先生から私が植え付けてもらったものは、「踊りに取り組む」ということに対しての責任感だったのだと思います。

阿佐美先生は、日本のバレエの発展のためにただらぬ力を注がれました。

その意欲の元には、日本のバレエの母と言われたエリアナ・パブロワ先生に弟子入りしてバレエを始められたお母様の橘秋子先生の想い、日本のバレエの創成期の方々の想いを背負っていたこともあったのかもしれません。

私は未だに、バレリーナとして活動していた自分に責任を持っているような感覚があります。でもそれは、過去の自分と離れられないだけなのか? などと考えることがあったのですが、阿佐美先生が亡くなって、その責任感は阿佐美先生に植え付けられたものだと腑に落ちたところがありました。

10代の頃から聞いていた話は、阿佐美先生ご自身のバレエに対する想いであり、そこには大きな希望とともに、日本のバレエの歴史を背負っているような責任感があったと思うのです。私はそういうところまでスポンジのように吸収していたのかもしれません。

だからこそ、「Shall we ダンス?」に出て世間で注目をされるようになってもブレることなく踊り続けられたし、今でもまだ自分の表現を目指して頑張れているのだと思うのです。

現役時代の私は、バレエのスポークスマンのような立場になっていた時期もありました。私自身、真摯にその役割を果たしたつもりです。そして、今そう思えるのは、阿佐美先生が植え付けてくれた、踊ることに対する責任感を背負えたからこそできたことなのではないかと思うのです。

エリアナ・パブロワ、橘秋子、牧阿佐美と繋がる日本のバレエの系譜の中で役目を担った経験はかけがえのないもの。

まず私の資質を見出し、そこまでの経験をさせてくれた阿佐美先生に深く感謝いたします。

11月21日(日) 
NHK BSプレミアム

◇追悼 舞踊家 牧阿佐美 (午前1時43分30秒~2時40分30秒)
 <演目>
 「ライモンダ」第3幕から「グラン・パ・クラシック」
   収録:2012年3月30日「NHKバレエの饗宴2012」
 「ドン・キホーテ」第3幕
   収録:2019年4月6日 「NHKバレエの饗宴2019」
 <出演>
  草刈民代
  牧阿佐美バレヱ団

私はスタジオインタビューに出演しています。

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2021/11/20

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