SPURのインスタグラム(spurmagazine) - 4月20日 01時21分


【KYOTOGRAPHIE MUST SEE】かねてから日本の「ヤングアダルト」に興味があったというココ・カピタン。日本で10代を過ごす、それはどんなものなんだろう? 2022年の秋、ココは京都の街に根を下ろし、2ヶ月という時を過ごした。家族の一員のように迎えられ、驚くくらいに自然に馴染むことができたという。その滞在から生まれた作品が、京都の10代を映し取ったASPHODELで開催中の〈Ookini(おおきに)〉だ。
「子供時代という特別な時期、まるで王様王子様のように日本では子供は大切に扱われる。ところが思春期に突入すると一変するのです。大人へ向かう重圧を突然課され、将来への期待はとてつもなく大きい」。今回の#KYOTOGRAPHIE のテーマは、「ボーダー」、つまり端境。「大人と子供の領域とはなんだろう、境目は? そこを作品に重ね合わせました」
 京を語る際に避けては通れないのが、伝統。世界が性急に変化するなかで、独特の慣習や伝統を静かに守り続けているのも、この街の特長だ。
「歴史が長いこの街で、思春期の子どもたちは大人たちの期待にどう対峙しているのか、頑張っているのか? それをとらえようと試みたのが、スケーターシリーズです」。鴨川で出会った一期一会の若者や、河岸でいつもスケートボードをしていた14歳の少年とその仲間たちの肖像。言葉の壁を超えた交流から生まれたあたたかな表情は、しっかりフィルムに刻まれている。
「35mmと中判、そして大判と3つのカメラで撮影しました。大判はフォーカスに時間がかかるので被撮影者の動きや双方向のやり取りは制限され、観察者としての撮影者の立場が強まるわけですね。一方で中判での撮影はよりカジュアルになります。動作が介入され、被写体の存在感も増幅します」。額装されていない写真も数多い今回。「現像機から出てきたまま」にこだわった。
2階は、高校を舞台にしたシリーズ、そして3階は伝統的な立場にいる若者たちが被写体だ。舞妓の少女たち、僧侶、伝統工芸に携わる家系の人々。同じ街に住んでいても1階と2階の若者とは、また違う環境で暮らす10代だ。
「彼女たちは自ら志望して舞妓になっている。洗練された理想の女性像を、何かしらの代償を払いながら体現している。究極の女性像、という概念がもはやない世界から来た自分には、舞妓は非常に興味深い存在でした。同様に私の日常には存在しない精神世界に根差し、戒律を厳格に踏襲する僧侶たちの生活も刺激的でした。むしろ自分を顧みる機会にもなりましたし、新鮮な平穏をもたらしてくれました。この経験から人生の大きな問題に直面したとき、精神的な支柱があるのは良いと思えるに至りました。近くに居ながらも生活が対照的な京都のヤングアダルトたちに出会え、本当に良かったと思っています」
ココのレンズを通して見えてくる古都の思春期の肖像。境遇が異なる若者がどのような大人になり、どのような未来を描くのか?
なお、別会場の大西清右衞門美術館では、4世紀にわたり茶の湯釜工芸を受け継ぐ大西清右衛門家のご子息、15歳の清太郎氏をココがとらえたポートレイトも展示。ロエベ財団は伝統継承を目的に6年間にわたり大西家への活動支援を行うことを発表した。次世代の若者が創る京都の未来の景色、ボーダーを超えた先に見えてくるものとは。

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2023/4/20

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