近藤研二さんのインスタグラム写真 - (近藤研二Instagram)「『猫はこうして地球を征服した』アビゲイル・タッカー（西田美緒子訳）猫好きの人なら「分かる〜、そう、私も猫ちゃんにメロメロ、うちの猫ちゃんってばハート泥棒なんだから〜」と、このタイトルをラブコメディ風に受けとるかもしれない。僕も同じくニヤッとしてこの本を手に取った。でも中身は挿絵も写真も一切ない、すごく真面目な生態系としてのイエネコ史、過去と未来の考察本だった。ライオンやトラに捕食される立場だった人間が、その大型ネコ科動物と対等な力関係になったのは、火を操り文明を持った今から20万年前。均衡状態は1万年前まで続き、農耕がはじまり定住しだした人間社会に、自ら歩み寄って来たのが小型なライオン、イエネコ。先に家畜化されていた犬と違い、狩猟の友とはならないし（実はネズミ退治にもそんなに役立ったわけではないという新説もあり）、手懐けるのも容易ではなく、ただ家の中で好き勝手にしているだけにみえる猫が、どうして現在、ペット、伴侶動物として最も繁栄しているのか。本のタイトルが意味することとは、、。侵略的外来種、トキソプラズマ症、キャットショーのために作られる新種など、愛猫家にとっては耳を塞ぎたくなるような話もあり、決して猫礼賛な本とは言えないが、著者は大の猫好きらしい。著者のように「好き」の理由をとことん深掘りするタイプの人は、読んでみると、猫を見る目に新たな物差しが加わるかもしれない。好きだからこそ見てしまう真実が、確かにどんな推し活にもありますよね。インターネットで人気なのはなぜか。犬は小説的、猫は詩的、インターネットは詩的、だから猫の方がバズりやすい。面白い考察。ちなみに保護活動についての考察は含まれていない。僕は読後、うちのモイウニが少し不思議な生きものに見え、より愛おしくなった。 #猫はこうして地球を征服した」5月16日 9時40分