黒河内真衣子のインスタグラム(mamekurogouchi) - 8月21日 20時53分

旅の最終日に訪れたマーケットでみつけた、古いブティ刺繍のベットリネン。
店頭にいたマダムに南仏では伝統的に作られていて、みんな各家庭でひと針ひと針刺して、大切に使うのよーと教えて頂き、あぁこういう懐かしい生地って実家にあったなぁと思い返しました。
黒電話の上にかかったレースや、玄関の花瓶の下で華やぐ生地。
刺し子のようにステッチ刺繍をして、お布団のような、褞袍のようなコートをつくって纏いたいなと思い、このシリーズが生まれました。
キルティングのアイテムは大好きで、過去にも何度も作っていますが、今回は自分のキルティング人生に、終止符を打つくらいスペシャルなものにしようと決め、表地をシルクの羽二重、中にはシルクの真綿をはさみ、滑りの良いシルクキュプラの裏地にしました。(高額になってしまったけれど…)
刺繍は群馬県桐生市の、いつもお世話になっている職人さんにお願いしました。ステッチを細かく打ち込む部分と、あまくして膨らみを表現する部分とのコントラストを大切にしてくださり、私の描いた柄が立体的に見えるように仕上げてくださいました。
去年、サンプルを一足先に試着試験していたのですが、真夏以外は一緒に過ごし、冬はウールのコートの下にインナーダウンがわりに着用し、毎日のように着ていました。
真綿は本当にじわーと暖かくなって、昔のお布団や、褞袍って暖かかったんだろうなぁと思います。
そして、移動の多い私には大切な、しわが気にならないというのもポイント。
くるくるして枕にして移動中仮眠したり、とにかく頬ずりするほど愛でている大好きなコート達です。

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