杉本彩のインスタグラム(sugimoto_aya0719) - 10月9日 17時00分


ご報告が遅くなりましたが、8月7日、愛猫 月子が虹の橋を渡りました。とても穏やかな最期でした。

2011年の東日本大震災で地元ボランティアさんによって救われ、縁あって私の家族になりました。
昔、個人で保護活動をしていた私に、宮城のボラさんから助けを求めるご連絡がありました。そして引き受けた6頭の猫、その中にいたのが月子です。
骨組みだけ残っていた家屋で、そこに集まっていた猫たちのお世話をされていました。5月に入っても県内の施設はどこも満杯で、受け入れ先のない猫たちをなんとか安全な場所で保護してあげたいと、面識のない私ですが、一縷の望みを託されたのだと思います。

それから約2年が経ち、奇跡のような出来事が起こりました。私が撮影した自宅リビングの動画が、あるテレビ番組で放送された後、動画に映り込んだ月子を紹介したことで、ある日お便りが届きました。
画面に映し出された猫が、地震で離れ離れになってしまった愛猫ではないかと、たまたま録画されていた番組を何度も見返し、お手紙をくださったのです。お手紙には、まり子と名づけていた愛猫との、穏やかで幸せな生活が、突如震災で奪われてしまったこと。そして、いなくなったまり子ちゃんを心配する苦しい胸の内が綴られていました。その心中は、言葉を持たない同じしっぽの家族を持つものとして、痛いほど胸に伝わるものでした。お手紙には、まり子ちゃんがどんな性格か、どんなものが好きか、どんなふうに喜ぶのか、とても詳細に書かれており、そのすべてが月子そのものでした。
また、月子が保護されていた多賀城市の隣りにご自宅があったことなどから、津波に流されてたどり着くであろう位置関係にあり、まり子ちゃんと月子が同一の猫であることを、私も確信したのです。
しかし飼い主さんは、ご自宅が無くなり余儀ない引越しとご高齢であることから、月子を引き取ることができず、引き続き私がお世話させていただくことになりました。
愛猫が元気でいてくれたこと、そして幸せに暮らしている映像もご覧になり、心底安堵されていました。

そして、月子が我が家に来て12年が経ちました。亡くなる1週間前から、急に食べなくなり、水だけを飲んでいることが多く、そのうち水も口にしなくなり、ほとんどを寝て過ごすようになりました。腎臓病の投薬を何年も続けていましたが、それでもいつかは、投薬も意味を成さない時がやってきます。高齢の子において、寿命というその時期がきたら、できるだけ自然に、苦痛やストレスのない選択をしてあげたい、まるで蝋燭の灯が消えるように、静かで穏やかな最期を迎えさせてあげたい。ジタバタせず、強い心で、やさしく見守り、寄り添う、、、。そんなふうに看取ってあげたいと、さまざまな看取りの経験から学んだ私が、たどり着いた答えでした。1日でも長く一緒にいたい、少しでも回復に向かってほしいと強く願うあまり、動物にとって、負担な治療を強いてしまったのではないか、ただただ苦しませてしまったのではないか、もっと冷静に心の準備ができていれば、最期は一番くつろげる自宅で、看取ることができたはずだと、後悔の念に苦しんだこともありました。その経験で感じたことは、今も私の心に深く刻まれていて、看取りの時期がそう遠くないことを感じると、その選択を誤らないように、より注意深く、より強い心で向き合わなければならないと、自分に言い聞かせます。その子の性格や病状や年齢を踏まえ、私の考えをしっかりと獣医師に伝え、最善の選択をすることが大切だと。
今回、少しでも食べられるようになればと、2日間点滴も行いましたが、これ以上の治療は月子の負担になるだけだと獣医師に相談のうえ判断し、3日目の点滴はしないと決めました。月子の性格を誰よりも知る私の判断です。家で好きにさせてあげること、美味しいもの、好きなものしか食べないグルメな高齢の月子に、強制的な給餌や延命はしない、その時がきたら、猫らしく、安らかな最期を迎えられるよう、私はありったけの愛とエネルギーを注ぎ、そして心の準備をすること、たくさんの看取りから学んだことです。
「枯れるように旅立つ」ことが、穏やかな最期に繋がるのだと知りました。それでも、いざその時がくるとやはり悩みます。望みをかけて何かしたいという思いに駆られます。それを踏みとどまり、月子のことだけを考え、たどり着いた判断でした。

8月7日、午前中に取材の仕事を終え、自宅に戻りました。すぐに月子のところへ行き、名前を呼びながら体をなでていると、それから間もなく、ほんの少し足が痙攣したあと、二度ゆっくりと体を伸ばし、静かに息を引き取りました。午後12時頃でした。まるで私が帰宅するのを待っていたかのようでした。きっとそうだと思います。その最期を、私に見せることで、その選択は間違っていなかったよ、そう伝えてくれたように感じたのです。そのやさしさに、月子への感謝の思いが、涙となって溢れました。そして、月子を抱きしめながら、何度も何度も感謝を伝えました。
今ごろは、きっと最初の飼い主さんと、再会していることと思います。


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2023/10/9

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