Japanese Spidermanのインスタグラム(takemix5271) - 4月2日 18時52分

明日から新しい生活が始まる。

昨夜、夕食前に両親に呼び出された。 「これ生活費と学費に使いなさい」

それは今まで見たことのない程の札束で,
両親がずっと僕のために貯めてくれていたお金であった。

しかし、受け取らなかった。

というより、受け取れなかった。

大学まで行かせてもらい、自己都合で会社も辞めた。
そして何より、家の財政状況を把握していた。

このお金の重みがどういうものか即座に理解できた。 「自分でなんとかする。お金がないのは言い訳かもしれないけど、それが原動力になる」
そう断った。

子を思う親ならよくある光景かもしれないが、
ここで頼ってしまうと、昔から掲げている「自立」という概念が一瞬にして崩壊する気がした。

そんな中、最後の晩餐はスーパーの鍋焼きうどんだった。

お金がかからない子に育ててくれ感謝している。

出発当日、母も父も仕事を早く切り上げ、駅まで見送りに来てくれた。 「頑張りなさい」「おう」

それ以上、会話が続かなかった。

しかし別れ際、
「昨日はご馳走できずごめんね」と母手作りの弁当をくれた。
電車が発つまで、改札で手を振る両親。
その光景を見ると一刻も早くその場から立ち去りたかった。
見えない場所に移動しようか考えたが、さすがに親に悪い気がして出来なかった。

帰りの新幹線。

弁当を開けた。

それは僕が昔から好きな唐揚げの弁当だった。

涙ながらに食べた。

親元を離れてからずっと、親孝行を考えてきた。

いつになったら親孝行ができるのだろうか…

今では申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

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