小林拓一郎のインスタグラム(kobataku33) - 1月8日 00時49分
昨日から大河ドラマ始まりましたね、『いだてん~東京オリンピック噺~』。 今回はクドカン脚本で中村勘九郎&阿部サダヲのW主演だしってので、話題になっております。
主役の二人以外でとっても重要な役を担っているのが、ビートたけし演じる、落語家の「古今亭志ん生」という人物。
実は、たけしさん自身、この役柄を演じるにあたって、かなり特別な想いがそこにあったそうです。
こんな本を読みました、ビートたけし著『やっぱ志ん生だな』。 たけしさんが志ん生さんという人物について熱く語っております。
志ん生さんの人物像のみならず、彼の芸がどういうものだったか、そして、それがビートたけしというコメディアンにどのような影響を与えたのかまで、それはそれは熱が込められ語られております。
面白い!
そもそも、たけしさんのお母さんが志ん生さんが大好きで、口調も似てたんですって、「やだもう、お前はね」なんてな具合で。
両親の普段の会話の掛け合いが、志ん生さんの落語に出てくるような下町の夫婦そのものだったとか。
志ん生さんの落語が他の落語と圧倒的に違ったのは、その「画」力だったそうです。
落語ってのは一人で何人ものキャラクターを演じて、火事だ盗人だと、様々な事件が起きたり、ほろっとするような人情話があったりするものですけど、たけしさん曰く、志ん生さんの落語は「映画的」だったそうです(特に「富久」ってお題目)。 志ん生さんのつなぎ、映画でいうところのカット割りが上手だから、ついつい自分だったらどういうカメラワークで撮るかなって考えちゃったりするんですって。
ここは、ビートたけしから、映画監督・北野武として楽しんでたり。
話は「芸人論」みたいなところにも及ぶんですが、芸人って並んだ瞬間に、「どっちが勝ち」ってのが、土佐犬の睨み合いみたいにわかるそうで、そういう意味では、ビートたけしとしてほぼ負けてないって思うそうですが、落語に限っていうと、志ん生さんにはかなわない、と。
この強さの根源ってのが、「危うさ」だそうです。
ふらっと明日にはこの人、いなくなっちゃうんじゃないの?っていうお客さんが見てて危ないなって思う人は強いんですって。
古今亭志ん生って”芸人”さんもかなり酒好きで破天荒だったそうで、そのエピソードには事欠かないそうですが、それでも落語に対する想いは最後の最後まで強く、脳梗塞で倒れてからも高座に上がっていた、と。
でも、一度その高座に上がれば、どんなに名人になろうと「俺の芸を見ろ!」って感じは全くなく、いつだってフラットな状態で、自分もお客さんも、「今から演じるこの落語の世界、一緒に楽しもうよ」って空気を創り上げる、これが古今亭志ん生ワールドだったそうです。
とにかく、”芸人”としての古今亭志ん生に惚れ込んで尊敬してるんですよ。
結構、ビートたけしの本を今までも読んできましたが、たけしさんの芸風と一緒で毒舌で語られるものが多いんです。
しかし、ここまで誰かを褒め称えた本には出会ったことがなかったので、すごく新鮮な気持ちでした。
古今亭志ん生という昭和が生んだ”天才芸人”と、ビートたけしという昭和から平成にかけて時代を支配した”天才芸人”が自身の身を重ねるように語った『やっぱ志ん生だな』、二人の人物を知るだけじゃなく、「芸人論」としても名著だと思います。
読み終えた後、古今亭志ん生の落語は観て、その後、ツービートの漫才も観ちゃったもんね。
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2019/1/8