マンチカンズTVのインスタグラム(studio_singa) - 8月10日 15時13分


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小説「人生を変えた猫」
続きは
munchkins.jp
でもお読みいただけます

=第2話「カスガイ」=

2003年、当時、元奥様のYuさんの家は中野にあるワンルームのアパートでした。

まだちゃんとお付き合いする前、初夏の頃だったと思います。はじめてお宅に遊びに伺ったのですが、

小学生の時に顔をひっかかれて以来、猫を触っていなかった僕はおそるおそる部屋に入りました。

ところが、部屋の奥にちょこんと座っていた猫を見て

「え?変な顔!」

思わず口に出てしまいました。

だって変な顔なんですもん。

なんというか、猫らしい精悍さは欠片もなく、なんとも緩んだ表情。マズル(鼻の周り)がやたら大きくて、むーっとした顔つき。ロシアンブルーっぽい灰色なんだけど、体型もだらしないし、ゆるキャラのような猫でした。


その第一印象で、恐怖心が和らいだのと、Yuさんの手前、良いとこ見せなきゃという気持ちから、

「ぐれちゃ〜ん」

と呼んでみました。

するとどうでしょう。

トコトコとそばまでやって来て、手に顔をスリスリしてくれるではないですか!

人生初の猫スリスリ。

ツルツルの毛の気持ちよさ。

口の横あたりや、おでこを何度も手に擦り付けてくるんです。

「え?ほんとに猫なの??」

と確認してしまいました。

猫=凶暴

そんなイメージが木っ端微塵に砕け散りました。

もう1度、

「ぐれちゃ〜ん」

と呼ぶと、

僕の目を見て、

「にゃぁ~お~ん」

もう、虜になってしまいました。

その後、何度かYuさん宅に通ううちに、気持ちの三分の一くらいは、ぐれおじさんに会うことが目的になってしまいました。

そして、次第に、Yuさん宅に泊まる機会も増えていったのでございます。

子は”かすがい”

などと申しますが、ぐれおじさんは間違いなく2人のキューピッドでした。

彼の功績は、猫嫌いを変えてくれただけでなく、素敵な出逢いをもたらしてくれたことにもあるんです。

ありがとうね。

そんなぐれおじさんですが、これまで一人では動物を飼った事の無かった僕に、このあと、色んな経験をさせてくれたのでございます。


第2話 完


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2019/8/10

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