林信行のインスタグラム(nobihaya) - 12月5日 02時42分


「これから皆さんに毒をふるまおうと思います」
ーこんな、ワクワクすることを堂々と(そして妖艶に)言って許される人は今の時代(残念ながら)foodcreationの諏訪綾子さんを除いて、他になかなかいないと思う。 「毒があるから美味しいのか、美味しいから毒があるのか。」
(バラは美しいからら棘(トゲ)があるのか、それとも棘があるから美しいのか)。
「棘だったり、毒だったりがあっても、それを恐れずに挑戦してしまう好奇心に満ちた人こそがかっこいい」
これは諏訪綾子さんが2013年の #TEDxTokyo でも語っていた、彼女、そしてfoodcreationの真髄となる価値観。

今夜はそんな諏訪さんが、彼女のインスピレーションの元ともなっているフグをモチーフにデザインした
スイス時計メーカー、RADOのタイムピース、True Thinline Toge Limited Editionの発表会にご招待頂いた。
RADOは、知らない人はいない(ですよね?)スイスの時計メーカー。

デザインを大事にしながらも、傷がつきにくいセラミックの時計で有名。

セラミック時計というとシャネルが有名だけれど、その質に高い自信を持っているだけでなく
Jasper Morrisonなどの世界的デザイナーと組んでいるだけでなく、
若手デザイナーの育成/応援にも熱心。

そんなRADOにとってTrue Thinlineはファッションデザイナーやアーティストなど、これまでの時計デザイナーとは異なる領域のクリエイターと組んでつくっているシリーズ。

これまで日本のクリエイターではANREALAGEの森永邦彦さんらとも組んでいる。

そんなRADOが2019年のクリエイターに選んだのは、世界の他のどのクリエイターとも異なる軸で活躍する諏訪綾子さん。

世界中でたった1001ピースだけつくられる好奇心の象徴とも言えるタイムピース。
その文字盤は、フグの腹にあるかすかなトゲを3Dスキャンして再現。
長針と短針はハリセンボンのトゲをスキャンしてつくられたのだとか…
諏訪さんのわかりやすさのための肩書はフードアーティスト。
でも、その本性は人間の本能にもっと深く刺しこんでくるような作品を作り続けるアーティストだと思っている。
頭で考えて納得して凄いでもなけれっば、頭で理解して美しいでもなく、頭をすっ飛ばして我々の感覚をゾクゾクさせる作品をつくるアーティストだ。
ものすごくステキなのだけれど、これをステキだと感じてしまうことに少しの後ろめたさを感じたくなるような、
別に健全なのだけれど、未成年には隠しておきたくなるような人間の本能を露わにしてしまうようななまめかしさ。
猫をも殺す好奇心に突き動かされる人間の本性。

蛍光灯のまばゆい光を浴びた健全さばかりが称賛される世の中。
わかりやすい価値ばかりが称賛される今の世の中なのに、彼女のような作品づくりを大きなブランドが認め応援してくれていることは、
すごくステキなことだと思うし勇気づけられもする。
(というか、私が無知だっただけかもしれないが、RADOがこういう価値観を応援してくれるブランドというイメージは正直なかった)。 諏訪さんといえば、2013年のTEDxTokyoでのスピーチの1枚目のスライドもフグで、
この時から変わらない一貫した軸を感じて、なんだか少し嬉しかった
https://www.youtube.com/watch?v=upNkwmVMgBE

今夜のレセプションでは、food creationが腕を振るった好奇心が試される食材と、毒の効いた料理が振る舞われ、
こちらも楽しかった。


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2019/12/5

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