林信行のインスタグラム(nobihaya) - 2月13日 14時46分


デンマーク発のWisdom(叡智)という言葉を感じさせるアートマガジン
PLETHORA MAGAZINEの最新号、第10巻「THEIA MANIA —— The Wrath of the Gods(神々の怒り)」の発刊を記念した展覧会が、東京は六本木のANB Galleryで開かれている(予約制)。

PLETHORA MAGAZINE ISSUE No.10 Exhibition
時を超えるアート&サイエンスマガジン展 ——人智を超えるもの
-2021/2/21(日) 13:00-20:00
https://plethora10.peatix.com

PLETHORA Magazine is perhaps, one of the most beautiful art magazine published in Denmark. The magazine per se is like a very beautiful piece of art; the print count is limited to 1000 (serialised).
An exhibition in Roppongi ANB Gallery exhibits the latest issue: issue No.10 “PANDEMIA CUNNING OFFERINGS FROM ABOVE.“

この雑誌の存在を知ったのは昨年の #DESIGNART 展。会期中にフランスのアーティストPhilippe Baudelocqueの作品を飾る2つの展覧会が行われていて、あまりの美しさに圧倒され、両会場に足を運んだ。

昔、百科事典という存在に心を踊らされていた時のような興奮。書かれた内容で知的好奇心を、そして図の美しさで感性をくすぐられる感触だ。

記事も表紙に書かれた特集の「THEIA MANIA」ではバベルの塔についても興味深い記事があり、とにかく興味をそそる。

2フロアある展覧会の上のフロアはArchiveとして過去作品を展示しているが、こちらも知っている人には説明不要のミステリアスなヴォイニッチ手稿から17世紀のイギリスの「植物解剖学の父」で指紋鑑定の生みの親でもあるネヘミア・グルーの解剖図、「羽の重量」と題した繊細さの中の重みを感じさせる作品、そして人類のブレイクスルーと題して月面地質図や電気光線療法装置、さらにはAutomatonと称して昔からつづく人類のロボット/アンドロイドへの憧憬などを形にした展示も。

中の図案もその印刷も美しく、刷り部数限定1000部でシリアル番号が書かれ、雑誌そのものがコレクティブルなアートピースになっている。

判型がB1型という極めて巨大な雑誌だが、展覧会では、その中でもとりわけ目立つ図版を額装し展示しており、「なるほど、この雑誌にはこういう使い方もあったのか」と驚かされた。1冊2万5000円の雑誌ではあるが、そう考えると少しおやすくも見えてきた(ちなみにSold outのバックナンバーはオークションなどで10万円以上で流通しているらしい)。

展示構成を手掛けたのはWhole Universe代表で編集者・キュレーターの塚田有那さん。編集長の異常な執着で毎号何度も擦り直して作られるPLETHORA MAGAZINEだが、塚田さんはデンマークの僻地にある、インド人の名前がついた印刷所、ナラヤナプレスも訪問したことがあるという。
http://boundbaw.com/world-topics/articles/93

1号1号、少人数で膨大なリサーチと試行錯誤を重ねて作られる本当に美しい雑誌だが、私はかつて同じ熱量と情熱をかけて作られている雑誌に出会ったことがある。台湾の「漢聲雑誌」という雑誌で、MACPOWERという雑誌の企画で伝説の編集者、黄さんのお話を聞きに行ったのが初めての台湾訪問だった。同じタイトルでNew Yorkで再創刊されるもそちらは別の雑誌で、元の「漢聲雑誌」は今やコレクターズアイテムとしてたまに展覧会が開かれている。

東洋は中国の伝統文化を紹介した「漢聲雑誌」と西洋が持つ文化的コンテクストを主に扱うPLETHORA MAGAZINEだが、これに負けないような日本の価値観や文化を軸にした雑誌を日本から出せないものかと改めて思った。

#PLETHORAMAGAZINE #ANBGALLERY
#ArinaTsukada


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2021/2/13

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