猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 3月13日 11時26分


イオのいない世界、1日目。

…っていうのは、どんなにか哀しくどん底の気持ちで、私は廃人になるんだろうと、亡くなるまでは想像していた。

ところが、どうも違う。これは先代猫・ピキを亡くした時ともまるで違う感覚だ…と、イオが逝った昨日の夜にはすでに感じていた。

もちろん寂しい。身体がイオの存在と動きを覚えてしまっているので、しょっちゅう残像を見る。ご遺体をじっと眺めていると、笑ったような、動いたような気がしてしまう。これは、ピガもユピも同じらしく、イオちゃんの通ったおトイレのあたりに、なにかが通った気がしてフッと同時に振り返ったりしてしまう。まぁ、霊…というのもあるかもだけど、そんなファンタジーじゃなくて、たぶんこれは身体と心の記憶のせい。

ところで、イオちゃんが逝ってしまってからというもの、あんなに生前、イオちゃんの見守りをしてくれたピガユピが、ご遺体を怖がるようになった。

イオから発する波動がなくなって、イオと認識出来ないらしい。観察していると、〝猫のカタチをした動かない何か〟という捉え方をしているみたい。

人間だけが持つ死の概念から生まれる、思い出を重ね合わせた亡きご遺体への執着。もうここにはいないのに、なかなかそれを認められない辛さ。

ピガユピは、教えてくれた。彼らはイオちゃんの魂と暮らして、その存在を認識して、愛していたんだってことを。

「ママ、それはもうイオちゃんじゃないんだよ。」

そうだね。わかってる。でもさ、お人形みたい冷たくなってもかわいいじゃん?ママは、キミらみたいな自然界の理を肌で感じる能力を失った人間だから、まぁそれはそれで、人間らしくイオちゃんの〝触れることができる思い出のかたまり〟を、もう少し愛でるよ。

イオの病気発覚から逝去までたった6週間と5日だった。その間に、私なりの答えを見つけようともがいて苦しんだその対峙が、今、なにひとつ悔いない風が凪いだ平原に、私を立たせているのだろう。

旅立つ直前に、イオちゃんが見せてくれた喜びと感謝のゴロゴロは、残された私を生涯包んでくれるだろう。

「ママ、ありがとう。一生分くらい泣いて必死にワタシを守るために選んだその選択は間違いじゃなかったよ。」って。

今、私は、とても穏やかで満ち足りた気持ちだ。

#猫沢イオ #イオの扁平上皮ガン日記
#猫沢組


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2021/3/13

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