猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 3月15日 12時00分
イオがお骨になった世界・一晩目。
遠隔ではあるものの、誰よりもイオと私の近くにいて、ずっと同じように苦しんでくれたフランスの彼に、昨夜、写真や動画を送りながらイオの葬儀の様子を伝えた。
仏教徒ではない彼にとって、博物館に展示されている骨格標本以外の猫の完璧なお骨を見るのは生まれて初めてだったし、それをふたりセットになってお箸で拾って収骨するセレモニーは、なかなか衝撃だったみたい。
火葬ってすごい儀式だ。遺体を焼いて骨にすることで、見送る人の執着を断ち切る力強いイニシエーション。お窯に入る瞬間は、とても辛い。けれど、そこにはもうイオはとっくにおらず、魂の入れ物としての亡骸を、きれいなうちに天へ返すという、ねぎらいと敬意がある。魂に少し遅れて天へ昇っていくイオのちいさな身体に、ありがとう、さようならと言うことで、私は明日からの人生を歩いていけるようになるのだ。
イオのご遺体はかわいかった。そしてお骨になってまでも彼女はかわいく、参列者の「かわいい〜♡」っていう感嘆の声が響く、なんだか面白あったかい収骨だった。
イオが病になってから、ひどい不眠症になってしまった彼が「イオとエミのことを考えすぎて、リンクしちゃってたんだろうな。」と言った。ごめんよ…そしてわかる。
イオが病になって、その痛みや恐怖を想像しすぎた私も、ずっと顎のあたりの震えと謎の痛みに悩まされた。〝痛み分け〟っていうのは、元来相撲用語から派生した、まったく意味の違う言葉だけれども、字面だけなら、まさしくだなと思っていた。共感痛とでも言ったほうが、もっと近いかもしれない。
大好きな家に戻ったイオちゃんのお骨から、昨夜は歌うような楽しげな声と、温かく清らかな空気が広がるのを感じていた。そこには苦しみも、哀しみもなく、ただ透き通るような安寧だけがあった。
#猫沢イオ #イオの扁平上皮ガン日記
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2021/3/15