Ayakoさんのインスタグラム写真 - (AyakoInstagram)「・ ・ そうだ。キャンプへ行こう。 ・ 思い立ったが吉日。テントをレンタル出来る事を知った私は、段取りや事前準備をすっ飛ばしてその場で思い付く限りの荷物をコンパクト車に積み込み初のキャンプ地へ向かった。 ・ 嘘だと思われるかもしれないが、意外にも夫は石橋を叩いて叩いて結局渡らないタイプ。発案しても却下される事が多く、考え出すと永遠に行動に移さないので、今からキャンプが出来ると知った私が強行突破する事にしたのだった。 ・ しかし、ここでまず、既に第一の試練が我々を襲っていた。コンパクトカーの収納力を過信し過ぎていた私。荷物に挟まれ、車内にてエスパー伊東と化していた。 ・ ・ 現地へ着き、ドキドキしながら借りたテントは意外にも簡単に設置でき、あれ…キャンプ…楽勝じゃん!という安易な考えが後々私と夫を絶望の淵へと突き落とす事になるとは、この時はまだ知る由も無かった。 ・ ・ お洒落な皿で…お洒落なキャンプ飯… ・ そんな事を想像していた夕飯時。炭で黒くなった顔を気にする暇もなく、焚き火に翻弄されていた。 ・ ママぁ、お腹すいたよぅ。焼き鳥はまだぁ? ・ 焼き鳥⁉︎ あれ…焼き鳥…はぁぅ!!炭になってるーー!!! ・ 火加減とは。恥ずかしながら、35年生きてきてその言葉の真の意味を初めて実感した。家だとボタン1つで火加減を調節出来るのに…。ここでは本当に火を加減出来ないと、焼き鳥を失うことになるのだ。 ・ そして、日が暮れたと同時に、昼間の暑さを裏切る形で寒さが襲ってくる。 ・ 寒い。とても寒い。もう、憧れていたお洒落キャンプファッションなどどうでも良い…。手当たり次第に着られる物を身につけ、出来上がったのは黒ダルマ。黒い軍手に黒いダウンのフードを頭から被り、黒いマスク。おまけに額にはお墨付きならぬ、お炭付き。焼き鳥を失った我々は、震える手でししゃもを串に刺し黙って火に向けていた。 ・ キャンプって…こんなんだったっけ… ・ 思考回路が鈍りつつ、巻寿司を口に含み飲み込む。寒さと乾燥で動きが鈍くなっていた食道に海苔が張り付く。 ・ お茶…お茶を…誰か… ・ キラキラしたキャンパー達が集うキャンプ場の片隅で、一瞬生死を彷徨った主婦が居たなんて誰が想像しただろうか。 ・ ・ キラキラキャンパーを横目にササっと食事を済ませ、せめて煙臭くなったこの身体を洗いたいと思いシャワーへ向かう。さぁ、出でよ温水!全てを洗い流しておくれ!100円を投入…できない。何度も格闘したが、温水が出る為の硬貨が入っていかない。この段階でもう、私の思考は違う方向へと歩き出していた。 ・ そうだ。これは試練だ。現代の文明の利器に甘え過ぎた私への禊なのだ。 ・ シャワーも諦め、キンキンに冷えた水道水で顔を洗いながら昨日までの甘えた自分を反省していた。 ・ シャワーを浴びると言って出て行ったのに、戻ってきたら凛とした表情で前髪だけを濡らし、神様や禊について語り出した私を見て本当に怖かった。と、夫は後に語っている。 ・ 消灯時間が過ぎ、四方のテントから響き渡るイビキのカルテット。いつまでも温もらない足先。毛布に包まりながら眠れぬ夜を過ごした。 ・ 翌朝、登ってくる朝日を眺めながらホットコーヒーを飲んだ時には涙が出そうだった。 ・ 朝が来るって、本当に有り難いんだなぁ… ・ ・ 理想とはかけ離れた初心者キャンプ珍道中。段取りの悪さ故、便利に囲まれた普段の生活がどれだけ恵まれているのかを思い知った。そして、己の無力さも痛感した。 ・ 私の気持ちとは裏腹に、子供達はとても楽しかったらしくテントが欲しい!また来週もやりたい!と帰りの車内ではしゃいでいた。 ・ あなた達が楽しかったなら良かったよ…。幸せな気持ちに浸りつつ、ポカポカとした陽の光に包まれた助手席で、エスパー綾子は四肢を折り曲げたまま眠りについたのであった。 ・ ・」3月16日 13時34分 - aya15____ks

Ayakoのインスタグラム(aya15____ks) - 3月16日 13時34分




そうだ。キャンプへ行こう。

思い立ったが吉日。テントをレンタル出来る事を知った私は、段取りや事前準備をすっ飛ばしてその場で思い付く限りの荷物をコンパクト車に積み込み初のキャンプ地へ向かった。

嘘だと思われるかもしれないが、意外にも夫は石橋を叩いて叩いて結局渡らないタイプ。発案しても却下される事が多く、考え出すと永遠に行動に移さないので、今からキャンプが出来ると知った私が強行突破する事にしたのだった。

しかし、ここでまず、既に第一の試練が我々を襲っていた。コンパクトカーの収納力を過信し過ぎていた私。荷物に挟まれ、車内にてエスパー伊東と化していた。


現地へ着き、ドキドキしながら借りたテントは意外にも簡単に設置でき、あれ…キャンプ…楽勝じゃん!という安易な考えが後々私と夫を絶望の淵へと突き落とす事になるとは、この時はまだ知る由も無かった。


お洒落な皿で…お洒落なキャンプ飯…

そんな事を想像していた夕飯時。炭で黒くなった顔を気にする暇もなく、焚き火に翻弄されていた。

ママぁ、お腹すいたよぅ。焼き鳥はまだぁ?

焼き鳥⁉︎ あれ…焼き鳥…はぁぅ!!炭になってるーー!!!

火加減とは。恥ずかしながら、35年生きてきてその言葉の真の意味を初めて実感した。家だとボタン1つで火加減を調節出来るのに…。ここでは本当に火を加減出来ないと、焼き鳥を失うことになるのだ。

そして、日が暮れたと同時に、昼間の暑さを裏切る形で寒さが襲ってくる。

寒い。とても寒い。もう、憧れていたお洒落キャンプファッションなどどうでも良い…。手当たり次第に着られる物を身につけ、出来上がったのは黒ダルマ。黒い軍手に黒いダウンのフードを頭から被り、黒いマスク。おまけに額にはお墨付きならぬ、お炭付き。焼き鳥を失った我々は、震える手でししゃもを串に刺し黙って火に向けていた。

キャンプって…こんなんだったっけ…

思考回路が鈍りつつ、巻寿司を口に含み飲み込む。寒さと乾燥で動きが鈍くなっていた食道に海苔が張り付く。

お茶…お茶を…誰か…

キラキラしたキャンパー達が集うキャンプ場の片隅で、一瞬生死を彷徨った主婦が居たなんて誰が想像しただろうか。


キラキラキャンパーを横目にササっと食事を済ませ、せめて煙臭くなったこの身体を洗いたいと思いシャワーへ向かう。さぁ、出でよ温水!全てを洗い流しておくれ!100円を投入…できない。何度も格闘したが、温水が出る為の硬貨が入っていかない。この段階でもう、私の思考は違う方向へと歩き出していた。

そうだ。これは試練だ。現代の文明の利器に甘え過ぎた私への禊なのだ。

シャワーも諦め、キンキンに冷えた水道水で顔を洗いながら昨日までの甘えた自分を反省していた。

シャワーを浴びると言って出て行ったのに、戻ってきたら凛とした表情で前髪だけを濡らし、神様や禊について語り出した私を見て本当に怖かった。と、夫は後に語っている。

消灯時間が過ぎ、四方のテントから響き渡るイビキのカルテット。いつまでも温もらない足先。毛布に包まりながら眠れぬ夜を過ごした。

翌朝、登ってくる朝日を眺めながらホットコーヒーを飲んだ時には涙が出そうだった。

朝が来るって、本当に有り難いんだなぁ…


理想とはかけ離れた初心者キャンプ珍道中。段取りの悪さ故、便利に囲まれた普段の生活がどれだけ恵まれているのかを思い知った。そして、己の無力さも痛感した。

私の気持ちとは裏腹に、子供達はとても楽しかったらしくテントが欲しい!また来週もやりたい!と帰りの車内ではしゃいでいた。

あなた達が楽しかったなら良かったよ…。幸せな気持ちに浸りつつ、ポカポカとした陽の光に包まれた助手席で、エスパー綾子は四肢を折り曲げたまま眠りについたのであった。


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2021/3/16

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