平泉春奈のインスタグラム(hiraizumiharuna0204) - 9月1日 20時17分
『ギフト』
最悪な夢を見た。
裕ちゃんが知らない女と結婚する夢。
本当に、本当に最悪だ。
だってそれは、あまりにも起こり得る現実だから。
裕ちゃんは、本来こっち側の人間じゃない。
「……悟?なんか元気なくね?」
「……べつに」
「なーんだよっ」
「なんでもないって」
「……しゃーないな。ほら、こっち」
「え?」
「おいで。膝の上」
「……ん」
「よしよし。……何か言いたいことあんなら、言えよ?」
「裕ちゃんは、さ。俺といて、楽しい?」
「楽しいよ」
「俺で満足してる?」
「してるよ」
「でも、いつか……結婚したいとか、思ってる?」
「え?誰と?」
「誰って……そりゃ結婚するなら俺じゃないでしょ。その……女の人と」
「そんなの、思ってないよ」
「嘘」
「嘘じゃないって。なんで嘘とか言うの」
「だって……だって裕ちゃんは、ゲイじゃないもん。今は俺といてくれてるけど、そのうち女の方にいっちゃうって、思ってるよ。や、でもそれは、仕方ないって分かってる。分かってるけど……」
「あのさ。なんでいつかそうなるって決めつけてんの?」
「え、だって普通は……」
「普通?普通って、なに?オマエがそれを言うの?」
「……」
「俺は、結婚って結果論であって、しなきゃいけないもんだなんて思ってない」
「でも……いつか子供、欲しいでしょ?」
「結婚すればできるとでも思ってるの?」
「俺と一緒にいるなら可能性はゼロだよ」
「……たしかに、な。でも俺は、その為に今ある幸せを壊そうとは思わない」
「……」
「悟、俺はさ。ゲイじゃないよ。でも悟のことが好きになった。オマエが好きって思った時、男だからとか女だからとか、そんな小さい事考える事もしなかった。悟だから、好きなんだって思った。その意味わかる?ゲイじゃない俺が、他の誰でもない、悟を好きになったって意味」
「裕ちゃん……」
「ふん、結婚ね。できるならしたいよ」
「えっ……!」
「相手はオマエじゃないと嫌だけど」
「……っ」
「ま、日本にいる限りは厳しいから……その辺はまた追々な。とにかく。俺の覚悟ちゃんと伝わった?」
「……うん。裕ちゃん、愛してる」
俺たちはそのまま唇を重ねた。
何度も、何度も。
裕ちゃんの大きな手のひらが
Tシャツの中に入りこみ、
優しく背中を撫でた。
ピクっと身体が反応する。
湿った音が響き続ける。
体温が急激に上昇していく。
愛が、溢れて苦しい。
裕ちゃんに出会って、
愛することが、愛されることが、
こんなにも苦しくて幸せなんだと知った。
どんな世界線においても
俺は、裕ちゃんしかいらない。
だってずっと、欲しかった。
欲しくて、欲しくて、堪らなかった。
何を捨ててもいいから、
彼をくださいと願い続けた。
きっとこれは、神様がくれた
最初で最後のギフトだ。
俺は、裕ちゃんの筋肉質な首筋に歯を立てた。
固い筋肉が歯に食い込む。少ししょっぱい。
「ん……悟……」
「……したい、ダメ?」
「……いいよ。でも今日は、俺が上でいい?」
「え!いいけど……なんで?珍しい」
「悟がバカなこと言ったお仕置き」
「……それ、お仕置きになってない」
Fin
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自分の中の扉が一つ開いた気がしてます。本気BL、やっと描けました✨
実は2冊目書籍「今この世界であなたと2人」には何作か同性愛をテーマにしたものは収録されてるのですが、SNSではなかなか公開できてなかったので、今回このような形で1つ残せて良かったです。
苦手な方もいるかなと思ったけど、私は今後更に幅広く、多角的な愛を描いていきたいと思ってるので、全ての作品を応援してもらえるとすごくすごく嬉しいです…!!
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2022/9/1