平泉春奈のインスタグラム(hiraizumiharuna0204) - 6月2日 19時59分
『さいごの日』
“別れ”がいつか訪れるなんて
想像したこともなかった。
*
「じゃ、行くね」
「うん」
「朝ごはん、ちゃんと食えよ」
「わかってるって」
「夜更かしは程々に」
「はいはい」
「どうしても困ったことあったら、連絡してきていいから……」
「いや、それはさすがに……」
「……だよな」
「元気でね」
「……真由も」
交際4年
同棲3年
すれ違い半年
彼女に好きな男ができて2ヶ月
今日俺は、この部屋を出る。
*
出会った瞬間から君に惹かれた。
美味しそうにラーメンをすする姿が可愛かった。
サバサバしてるのに下ネタになると
いきなり顔を赤くしながら大丈夫なフリをする
仕草がたまらなく可愛かった。
強がってばかりだけどたまに垣間見える
弱いところに愛しさを感じた。
ガラにもなく守ってあげたいなんて思った。
会う度に好きになった。
君と一緒に生きていけたら
どんなに楽しいだろうと思った。
「好きだよ」と言って「同じく」と返された夜。
幸せ過ぎて朝まで一睡もできなかった。
同棲して数日経った休日の昼間。
君が作ったチャーハンを食べながら、
いつか結婚したらこんな日常がずっと続くのかな、
なんて想像してニヤニヤが止まらなかった。
いつからだろう。
一つ歯車が狂い始めると
小さな歪みはいつしか大きな波紋となり
取り返しがつかなくなった。
深く愛し合った記憶は紛れもなく存在した。
目を閉じればいくらでも浮かんでくる。
けれど慌ただしい日常の連続は
過去の甘い時間をどこかに取り残し
過酷な今という現実だけで埋め尽くされていく。
幾度となく巻き起こる衝突は
2人の間に生まれた壁をより厚くし
愛情がオセロのように負の感情へと裏返る。
愛しい記憶、未来への希望。
それらは日常の積み重ねの中でしか
守ることができなかったんだ。
*
彼女に鍵を渡して部屋を出た途端、
立っていられなくなった。
毎日当たり前のように
「ただいま」と言って
帰ってきたこの家は
もう二度と帰らぬ場所となる。
まだこんなに好きなのに……
後悔なんて言葉じゃ
収まりきらなかった。
すれ違いなんかじゃない。
俺は彼女が1番辛かった時
優しくできなかった。
そばにいてあげられなかった。
それでも……
もう一度見たいと願ってしまう。
俺だけに向けられた君の笑顔を。
見たい。
Fin.
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大切な誰かと恋人同士の時、“別れ”をリアルに想像したことはありますか?
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2023/6/2