INSIDE FUJINGAHOのインスタグラム(fujingahojp) - 6月19日 18時03分

『婦人画報』のアーカイブスからウェブサイトに連載している「家元のいけばな」。昭和、平成にご活躍された各流派のお家元や作家の方々による季節の作品を毎月ご紹介しています。

７月は、七夕の花「竹と七草」。ここでは、最古のいけばな流派、華道家元池坊の45世家元、池坊専永氏と、真生流家元の山根由美さんの作品をご紹介します。

1枚目　池坊に伝わる特別な生花（しょうか）「七夕七種」：池坊専永作品
本来、節句は旧暦で祝ってきました。旧暦の七月は今の暦でいえば八月から九月にあたり、秋草が代表的な花材でした。この作品は、旧暦七月七日の七夕の日に限っていけることを許されている特別な生花で、秋の七草が各種使われています。
●花材：萩（ハギ）、朝顔（アサガオ）、女郎花（オミナエシ）、尾花（オバナ）、撫子（ナデシコ）、藤袴（フジバカマ）、葛（クズ）　花器：銅波文薄端（銘六玉川）　撮影＝木村尚逹

2枚目　女性作家らしい優しさが滲む七夕のしつらえ：山根由美作品
天井の高さに合わせて切った青竹を立て、五色の糸を笹の葉に結んで、空間を意識した花をいけてくださったのは、真生流家元、山根由美さんです。真生流は、型にとらわれず、花の個性や作者の個性を尊重する自由花が特徴の流派です。
●花材：夏櫨（ナツハゼ）、百合（ユリ）、竹（タケ）、笹（ササ）、臭木（クサギ）　花器：丹波壺　撮影＝星野達郎

解説は、当時のいけばな編集者、現いけばな応援団の星野眞理子さん。「七夕には上巳の桃や端午の菖蒲ほど、強い結びつきの花はありませんが、秋の七草や笹や竹に思いを託していけばなを楽しんではいかがでしょうか」と、七夕の花飾りに寄せて語ってくださいます。ご紹介した２作品のほかにも、竹や笹、野花を自由に遊ばせた、何とも素敵で魅力的な作品が並んだ今月の「家元のいけばな」。全作品は「婦人画報プレミアム」にてご覧ください。（編集U）

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