村上隆さんのインスタグラム写真 - (村上隆Instagram)「サンフランシスコで展覧会 @asianartmuseum があったので、帰る日のフライト迄の待ち時間に「オッペンハイマー」 @oppenheimermovie を本場のIMAX、48フレームレートで観た。ホイテ・ヴァン・ホイテマの撮影のすごさなのか、IMAX上映にこだわるノーランの意思なのか、息を呑む究極の美しい映像詩は、原爆製造の使徒となった主人公に肉薄し続ける。観客は広島、長崎での凄惨な爆発のシーンを想定していたであろうが、其処は抽象化した曖昧な映像（とは言え、2001年宇宙の旅へのオマージュが強い）でさらりと流す。一方、オッペンハイマーが査問会で受ける辱めの時に、愛人とのSEXシーンを突如登場させ、リアルな彫刻を舐める様に撮影したドキュメントを見せ続ける様は、主人公のちっぽけな等身大を理解させる。相対性理論を創造したアインシュタインと、その概念をひたすら実体化させる使徒としてがむしゃらに生きた主人公の、呪われた宿命を美しく描き切る。日本では、原爆の犠牲を受けた人々への配慮として公開の予定が立っていない様だが、IMAXハイレートのみでも上映し、クリストファーノーランの脳内にスパークした芸術を体験することは、許されるべきでは無いか。映画「オッペンハイマー」は、礼儀を欠く脇の甘さはなかった。是非日本での上映を乞う。アインシュタインの使徒となった、オッペンハイマー。似たメッセージが、宮﨑駿の「君たちはどう生きるか」 @ghibliusa にも発見されていた。アインシュタイン似の大叔父が、宇宙の真理の様な石を背に、主人公、眞人＝駿と語る内容は、アニメ制作に身を窶した人生を、母やアインシュタイン＝宇宙の構造その物のメタファーに尋ね、それしか選択しようが無い、運命に身をやつすしかなかったのだと終劇する様は、映画芸術を真剣に創造し続けた、ノーランと駿のシンクロニシティにも思えた。 ps.写真のマットデーモンの肌荒れのメイクのリアリティ、滅茶苦茶印象に残りました。」9月26日 19時30分