21 . 1週間の滞在も最終日。 今日でのぞみちゃんとの共同生活も終わりだ。 . 荷物持ちがてら空港まで見送りに行く。 . . 『あっという間だったね~。東京は楽しめた?』 「…うん」 . さっきから話しかけても生返事ばかり。 . 女の子を喜ばすためには聞き上手になるっていうモテテクを聞いたことがあるのだが、話しかけられなければ何もできない。 マジ使えないこのテク。 . 大した盛り上がりもないまま空港に到着。 . 早々にチェックインをすませ荷物を預けると、いよいよ帰ってしまうという雰囲気が2人の間に漂う。 . . カウンター前の背もたれのないソファーにならんで腰かけると、ようやくのぞみちゃんが口をひらいた。 . 「一緒に行ったアートアクアリウム、綺麗だったなぁ… シロイルカのいる水族館にも行ったね。 水かけられたのはびっくりしたけど、楽しかった。 コンビニまでの散歩もお兄ちゃんとだと特別だった。 一緒に食べるご飯もほんとに…美味しかった」 . . 単なる東京案内のつもりで引き受けた今回の件。 . でものぞみちゃんと一緒に住むうちに毎日が楽しくなり、癒された。 . ボクにとっても彼女はかけがえのない存在だと気づかされた特別な1週間だった。 . . 「お兄ちゃん、これ覚えてる?」 . というと、自分の鎖骨のあたりをさわり何かを引っ張り出した。 . むかし、一緒に行ったお祭りの露天商で買ってあげたネックレスだった。 . 『まだ持ってたんだ、それ。そんな安物だいじにしなくてもよかったのに』 「ん~ん。お兄ちゃんから初めてもらったプレゼントだから」 . 再び大事そうに胸元にしまうと、そっとボクの左手に手を重ねてきた。 . 「あたしね、こう見えて結構モテるんだよ」 『うん、そんな気はしてた』 . なんとなく緊張が伝わり、彼女のほうに顔を向ける。 . 「何回も告白とかされたし、あげてもないのにホワイトデーもらったりとか。 でもね、付き合おうとか思った人は1人もいなかったんだ。ほかに好きな人なんてできなかった。初めてあった時からずっとお兄ちゃんが特別だったの。 あの頃はまだ携帯とか持ってなくて連絡とれなかったから、あれっきりになっちゃったけど、話したい、また会いたいってずっと思ってた」 . 下を向いてしゃべってた彼女がふっとこっちを向いた。 . 泣きそうでちょっとうるんだ瞳の奥に、彼女の意志の強さが垣間見える。 . 「あの時は大好きだって言えなかった。何回も何回も言葉を飲み込んだ。 相手にされないってのがわかってたから。でもあきらめきれなかった。 だからお兄ちゃんの好きな料理も覚えたし、こっちに来たくて勉強もしたの」 . 一途な気持ちをまっすぐにぶつけてくる。 . こっちの大学を受けるのを決めたのも、生姜焼きをうまく焼けるようにがんばったのも、ぜんぶボクのためだった。 . ただの身近な縁者への憧れだと勘違いしていたが、ボクへの想いがはっきり恋愛感情であると告げられた。彼女が一緒に過ごすうちに積極的になったのも、ボクが受け入れてくれたという安堵感から、想いがとまらなくなってのことだったとようやく分かった。 . . 「ねぇお兄ちゃん」 『なに?』 . 「迎えに来てくれた空港で言ってくれた言葉、まだ有効かな…?」 『あれはのぞみちゃんにスルーされて話が終わったはずじゃ...』 「ううん、びっくりして答えられなかったの。冗談だとはわかってても嬉しかったし」 . ようやく笑顔を見せてくれた。 . 「だからね、もし受験に合格してこっちに来れたらあたしと…」 『ちょっと待って!』 . 彼女の言葉を遮る。想いに応えるためにも、自分から言いたかった。 . . 実家でのたった10日間の思い出に続きがあると信じ、6年という時を待った彼女。 運命を感じずにはいられなかった。 . . 『のぞみちゃん、ボクと結婚してくれますか?』 . . #従姉妹に惚れた話 #安易に始めたら大変なことになったというお話(´Д` ) #今月のわたしの妄想力は終了しましたまたのご利用をお待ちしております . .

m_scapeさん(@m_scape)が投稿した動画 -

モルのインスタグラム(m_scape) - 9月3日 20時41分


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1週間の滞在も最終日。
今日でのぞみちゃんとの共同生活も終わりだ。
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荷物持ちがてら空港まで見送りに行く。
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『あっという間だったね~。東京は楽しめた?』
「…うん」
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さっきから話しかけても生返事ばかり。
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女の子を喜ばすためには聞き上手になるっていうモテテクを聞いたことがあるのだが、話しかけられなければ何もできない。
マジ使えないこのテク。
.
大した盛り上がりもないまま空港に到着。
.
早々にチェックインをすませ荷物を預けると、いよいよ帰ってしまうという雰囲気が2人の間に漂う。
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カウンター前の背もたれのないソファーにならんで腰かけると、ようやくのぞみちゃんが口をひらいた。
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「一緒に行ったアートアクアリウム、綺麗だったなぁ…
シロイルカのいる水族館にも行ったね。
水かけられたのはびっくりしたけど、楽しかった。
コンビニまでの散歩もお兄ちゃんとだと特別だった。
一緒に食べるご飯もほんとに…美味しかった」
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単なる東京案内のつもりで引き受けた今回の件。
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でものぞみちゃんと一緒に住むうちに毎日が楽しくなり、癒された。
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ボクにとっても彼女はかけがえのない存在だと気づかされた特別な1週間だった。
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「お兄ちゃん、これ覚えてる?」
.
というと、自分の鎖骨のあたりをさわり何かを引っ張り出した。
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むかし、一緒に行ったお祭りの露天商で買ってあげたネックレスだった。
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『まだ持ってたんだ、それ。そんな安物だいじにしなくてもよかったのに』
「ん~ん。お兄ちゃんから初めてもらったプレゼントだから」
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再び大事そうに胸元にしまうと、そっとボクの左手に手を重ねてきた。
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「あたしね、こう見えて結構モテるんだよ」
『うん、そんな気はしてた』
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なんとなく緊張が伝わり、彼女のほうに顔を向ける。
.
「何回も告白とかされたし、あげてもないのにホワイトデーもらったりとか。

でもね、付き合おうとか思った人は1人もいなかったんだ。ほかに好きな人なんてできなかった。初めてあった時からずっとお兄ちゃんが特別だったの。

あの頃はまだ携帯とか持ってなくて連絡とれなかったから、あれっきりになっちゃったけど、話したい、また会いたいってずっと思ってた」
.
下を向いてしゃべってた彼女がふっとこっちを向いた。
.
泣きそうでちょっとうるんだ瞳の奥に、彼女の意志の強さが垣間見える。
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「あの時は大好きだって言えなかった。何回も何回も言葉を飲み込んだ。

相手にされないってのがわかってたから。でもあきらめきれなかった。

だからお兄ちゃんの好きな料理も覚えたし、こっちに来たくて勉強もしたの」
.
一途な気持ちをまっすぐにぶつけてくる。
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こっちの大学を受けるのを決めたのも、生姜焼きをうまく焼けるようにがんばったのも、ぜんぶボクのためだった。
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ただの身近な縁者への憧れだと勘違いしていたが、ボクへの想いがはっきり恋愛感情であると告げられた。彼女が一緒に過ごすうちに積極的になったのも、ボクが受け入れてくれたという安堵感から、想いがとまらなくなってのことだったとようやく分かった。
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「ねぇお兄ちゃん」
『なに?』
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「迎えに来てくれた空港で言ってくれた言葉、まだ有効かな…?」
『あれはのぞみちゃんにスルーされて話が終わったはずじゃ...』
「ううん、びっくりして答えられなかったの。冗談だとはわかってても嬉しかったし」
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ようやく笑顔を見せてくれた。
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「だからね、もし受験に合格してこっちに来れたらあたしと…」
『ちょっと待って!』
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彼女の言葉を遮る。想いに応えるためにも、自分から言いたかった。
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実家でのたった10日間の思い出に続きがあると信じ、6年という時を待った彼女。
運命を感じずにはいられなかった。
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『のぞみちゃん、ボクと結婚してくれますか?』
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#従姉妹に惚れた話
#安易に始めたら大変なことになったというお話(´Д` )
#今月のわたしの妄想力は終了しましたまたのご利用をお待ちしております
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2014/9/3

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