犬童一心のインスタグラム(isshininudo) - 4月25日 13時17分


【7日間ブックカバーチャレンジ】 #bookcoverchallenge 「不眠の森を駆け抜けて」白坂依志夫
御殿場にいて、風呂で繰り返し読む本を紹介している。

実は、最も繰り返し読む本の一つがこれだ。増村保造や、市川崑の先鋭的な作品作りに貢献した、名脚本家、白坂依志夫の長きに渡る時代の文章をまとめたもの。
適当に開いたページを読み始め、また、次の機会に適当に開いたページを読むのだが、何度読んでも、その、的確で衒いない言葉の連続にその時代のその時の出来事に入り込んでいける。
白坂依志夫さんとは一度お会いしたことがある。藤井浩明プロデューサーの特集が阿佐ヶ谷の映画館で開催され、藤井さんを囲む会にいらした時だ。
私だけでなく、日本映画史に残る憧れの二人が並ぶ、そのそばにいれる高揚がその場にはあった。大映が潰れた後、行動社を共に起こした三人、亡き増村保造監督もその場にいたような気がした。

白坂さんに「良い映画監督の条件はなんですか?」と聞くと「頭が良いことだよ」と一言で返された。横で聞いている藤井さんはいつものようにニコニコ笑っていた。白坂さんは、「犬童さんは大丈夫」と付け足してくれたが、本心はわからない。目が笑っていなかった気もする。いや、いなかったなきっと。 「不眠の森を駆け抜けて」は白坂さんが、大映に入り、脚本家になられた頃から、日本映画の全盛期、その中で、新しい戦後世代に何ができるかを本気で模索する頃から、フリーになり、斜陽産業、そしてテレビの世界、と、高度経済成長の中に現れた新しい世代の騎手の希望と絶望、その変遷が日本映画の変遷と共に語られる。
付き合った女性から、ハイミナール中毒となって出会った多くの人たちも実名で登場する。平気で実名ということが、逡巡ゼロで言葉のシャープさを生む。そのシャープさが白坂依志夫らしさだよなと、白坂さんの書かれた映画を見てきた私は思う。
藤井さんも白坂さんも、また会いたいな。とても、会いたい。 -----------------
7日間のブックカバーチャレンジとは、
読書文化の普及に貢献するための企画です。
参加方法は、
「1日1回、7日間に渡って好きな本を紹介する。」
本についての説明は無しで、表紙だけの画像をアップし(ストーリーでもok)、それを毎日1人の友達へ繋げていく企画です。
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2020/4/25

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