偕成社のインスタグラム(kaiseisha_pr) - 8月24日 12時02分

お母さんの付淑琴（フースーチン）は、愛情いっぱいに玉福（ユイフー）を育てました。井戸に水をくみに行くときも、近所の友だちの家に遊びに行くときも、どこに行くときにも、玉福の手を引いていきました。まるで、自分の子どもを、近所のみんなに自慢するかのようにーーー。そして、村の人たちも、そんな母と子のすがたを見て、二人が本当の親子なのだとみとめてくれるようになりました。

まったく中国語を話せなかった玉福でしたが、淑琴たちが自分のことをとても大切に思ってくれていることはわかりました。お父さん、お母さんに教えてもらい、少しずつ中国語を話せるようになりました。そして……城戸幹という自分の本当の名前や、日本語、さらに日本のお父さん、お母さんのこと、日本にかかわるすべてのことを、いつの間にか忘れてしまったのでした。

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