猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 10月17日 01時51分
今日の早い時間は、黒猫店長ががんばってくれたから、明日の準備とお掃除はボクが引き受けた。
店長は、このお店をオープンするまえ、クロネコトヤマっていう富山県の小さな運送会社で働きながら小説家をめざしていた。奥さんも仔猫もいて、慎ましく幸せに暮らしていたんだ。
ところが、奥さんと仔猫がある日、事故に巻き込まれて天に召された。それから店長はふたりの葬儀を済ませて、そっと街を離れたんだ。
店長はとても働き者だったし、奥さんと仔猫の将来のために貯金をしていた。それを使って喫茶 たそがれをオープンした。今から5年前のことだよ。
病気の伊緒子がまだ動けるころ、ボクはこの店を偶然見つけてふたりで入ったら、不思議と気持ちが落ち着いて、とても救われたんだ。
伊緒子を亡くして自暴自棄になっていたとき、店長が「よかったらここで働いてみませんか?」って優しく声をかけてくれた。
ボクが今、こうしていられるのは店長のおかげなんだよ。
店長は自分の話をお客さまにはしない。それは、お客さまのたそがれを受け止めるのが使命だと思っているから。優しい猫だよね。
優しいってことは強いってことなんだ。
店長はお客さまのたそがれに、自分のたそがれを重ね合わせられる。それは、本当の哀しみを知っているから。そして、本当の哀しみって愛のことを言うんだとボクは思ってる。
店長は言う。
「たそがれのなかに、ずっと愛する者がいる。だからボクは寂しくないんですよ」
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2021/10/17