野村訓市さんのインスタグラム写真 - (野村訓市Instagram)「Posted @withregram • @brutusmag 8月16日発売、BRUTUSは「夜」特集 。ゲストエディター、野村訓市さんによる編集後記。  —  夜の子どもたちはみな踊る  .  「何で今、夜号?」そう思う読者の皆さんもいらっしゃるかと思います。分かります、分かりますよ。ぶっちゃけ別に今じゃなくても良かったんです、2ヶ月前でも2ヶ月後でも。でもいつかはやらなきゃと思ってました。コロナは僕らを決して離さない、しばらくは完全に自由になんかしてくれないでしょう。それどころかサル痘なんていう新たな疫病まで現れましたし、これからの時代は常に何かしらのパンデミックがある可能性だってあるわけです。昔、2020年の1月まで存在した日常というのがもしかしたら2度と戻ってはこないかもしれない。そう考えた時に僕は考え込んでしまいました。ずっと夜が戻らないの?あのハプニングだらけの出会いと発見がたくさんあった夜が、ずっと家飲みだの、少人数でひっそり食べる会食をして、あとは家でリモートしなきゃいけないの?と。  僕はね、昔1人旅もたくさんしましたし、1人の夜ってのは嫌いじゃないんですよ。けれど、思い返してみると、1人だからこそ自由にいろんな所をフラフラと回ってたんです。そこでいろんな出会いがありました、発見もありました。1人の夜でしたけど、好きに動き回っていろんな世界に飛び込めたわけです。コロナ禍の1人の夜とはえらく違ったんですよ。コロナ禍の世界になって気付いたこと、それは人は1人じゃ本当に生きていけないということと、一見無駄に見える時間の中に実は本当に大事なことが詰まっているんだなということ。それの代表例が夜でした。  政治家のみなさんだって不要不急を叫ばれてるとき会食してたじゃないですか?昼間の打ち合わせだけじゃ円滑に話が進まない、そういうことでしょう?夜は必要不可欠のものなんですよ。何も今、夜号を作ったからといってすぐ出かけろといいたいわけじゃありません。落ち着いたら出かければいいし、そうじゃないときは別なことをすればいい。  ただ、忘れたくない、忘れて欲しくないんですよ、夜がいかに僕らの生活にとって大事なことであるかを。初夏、久しぶりに夜を満喫できた時期にこの号の制作を進められたのはラッキーでした。仕事というより再確認の旅のような時間。フォトグラファーのアセホ(ROLLSWYZE)を連れて日々、夜を彷徨い、1軒の予定が、2軒、3軒となり、久しぶりの奴、初めて会う人、いろんな出会いがまた別の仕事に繋がったりもしました。「これぞ夜!これぞ我が故郷!」久しぶりだったな東京と声の一つもかけたくなる、ご褒美のような夜。果たしていつまた自由な夜がやってくるかわかりませんが、終わりのないものはこの世に存在しない、また必ずやってきます。酒を酌み交わし、やあやあいえる夜が。その時がくるまで、ぜひこの「夜号」を手にとって、晩酌の友にしていただけたらと思います。そして読者の皆様と夜の街で偶然出会い、乾杯の一つでもできたら、この号の担当編集としてこれ以上嬉しいことはありません。それではみなさんの健康と幸運を祈りつつ、1人この一冊ができた祝杯を上げさせてください。乾杯!一介の夜行虫より。  .  写真:はしご酒をまたしたいね、夜明けまで  野村訓市(本誌担当編集) のむら・くんいち/1973年東京都生まれ。編集者、インテリアデザイナー、ラジオパーソナリティ、さらにはウェス・アンダーソン監督の『犬ヶ島』のボードメンバーにして声優と幅広いフィールドで活躍中。」8月16日 21時59分 - kunichi_nomura

野村訓市のインスタグラム(kunichi_nomura) - 8月16日 21時59分


Posted @withregram@ブルータス 8月16日発売、BRUTUSは「夜」特集 。ゲストエディター、野村訓市さんによる編集後記。



夜の子どもたちはみな踊る

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「何で今、夜号?」そう思う読者の皆さんもいらっしゃるかと思います。分かります、分かりますよ。ぶっちゃけ別に今じゃなくても良かったんです、2ヶ月前でも2ヶ月後でも。でもいつかはやらなきゃと思ってました。コロナは僕らを決して離さない、しばらくは完全に自由になんかしてくれないでしょう。それどころかサル痘なんていう新たな疫病まで現れましたし、これからの時代は常に何かしらのパンデミックがある可能性だってあるわけです。昔、2020年の1月まで存在した日常というのがもしかしたら2度と戻ってはこないかもしれない。そう考えた時に僕は考え込んでしまいました。ずっと夜が戻らないの?あのハプニングだらけの出会いと発見がたくさんあった夜が、ずっと家飲みだの、少人数でひっそり食べる会食をして、あとは家でリモートしなきゃいけないの?と。

僕はね、昔1人旅もたくさんしましたし、1人の夜ってのは嫌いじゃないんですよ。けれど、思い返してみると、1人だからこそ自由にいろんな所をフラフラと回ってたんです。そこでいろんな出会いがありました、発見もありました。1人の夜でしたけど、好きに動き回っていろんな世界に飛び込めたわけです。コロナ禍の1人の夜とはえらく違ったんですよ。コロナ禍の世界になって気付いたこと、それは人は1人じゃ本当に生きていけないということと、一見無駄に見える時間の中に実は本当に大事なことが詰まっているんだなということ。それの代表例が夜でした。

政治家のみなさんだって不要不急を叫ばれてるとき会食してたじゃないですか?昼間の打ち合わせだけじゃ円滑に話が進まない、そういうことでしょう?夜は必要不可欠のものなんですよ。何も今、夜号を作ったからといってすぐ出かけろといいたいわけじゃありません。落ち着いたら出かければいいし、そうじゃないときは別なことをすればいい。

ただ、忘れたくない、忘れて欲しくないんですよ、夜がいかに僕らの生活にとって大事なことであるかを。初夏、久しぶりに夜を満喫できた時期にこの号の制作を進められたのはラッキーでした。仕事というより再確認の旅のような時間。フォトグラファーのアセホ(ROLLSWYZE)を連れて日々、夜を彷徨い、1軒の予定が、2軒、3軒となり、久しぶりの奴、初めて会う人、いろんな出会いがまた別の仕事に繋がったりもしました。「これぞ夜!これぞ我が故郷!」久しぶりだったな東京と声の一つもかけたくなる、ご褒美のような夜。果たしていつまた自由な夜がやってくるかわかりませんが、終わりのないものはこの世に存在しない、また必ずやってきます。酒を酌み交わし、やあやあいえる夜が。その時がくるまで、ぜひこの「夜号」を手にとって、晩酌の友にしていただけたらと思います。そして読者の皆様と夜の街で偶然出会い、乾杯の一つでもできたら、この号の担当編集としてこれ以上嬉しいことはありません。それではみなさんの健康と幸運を祈りつつ、1人この一冊ができた祝杯を上げさせてください。乾杯!一介の夜行虫より。

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写真:はしご酒をまたしたいね、夜明けまで

野村訓市(本誌担当編集)
のむら・くんいち/1973年東京都生まれ。編集者、インテリアデザイナー、ラジオパーソナリティ、さらにはウェス・アンダーソン監督の『犬ヶ島』のボードメンバーにして声優と幅広いフィールドで活躍中。


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2022/8/16

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