職人.comさんのインスタグラム写真 - (職人.comInstagram)「【北大ポプラ並木】  初夏の札幌の街を歩いていると、ふわふわと風に舞っているポプラの白い綿毛をよく目にします。北海道に来たばかりのころ、ポプラという植物になじみがなかった私は、この綿毛が道端などに降り積もっている光景を見て、まさか季節外れの雪が降ったわけではあるまいなと大変驚いたのを覚えています。  ポプラは、ヨーロッパや北米などを原産とする落葉紅葉樹で、ヤナギの仲間にあたる樹木です。雄株と雌株との区別があり、雌株には春になると紐のような形をした花が咲き、初夏には果実が成熟します。熟した果実からは白い綿毛をつけた種子が飛び出し風に舞います。この綿毛はヨーロッパでは「夏の雪」とも呼ばれ、ポプラの雌株が生えている場所では、まるで雪が降り積ったかのように辺り一面が真っ白になることもあります。また、綿毛が特徴的であることからポプラのことを「コットンウッド」と呼ぶ地域もあるようです。  北海道にポプラの木が導入されたのは明治期のことで、主として防風林として利用されましたが、背が高く細長い樹形を生かして、農地の境界線を示す目印としても使われたようです。すらりと空へ伸びるポプラの木は大変美しく、北海道の観光スポットにもなっています。今回はその中から、札幌駅から程近い北海道大学のキャンパス内にある二つのポプラ並木をご紹介します。  「北大ポプラ並木」の歴史は明治36年にまで遡り、アメリカから持ち帰られ植樹された数本のポプラの木から始まりました。並木が誕生してからの歴史は台風との闘いでした。昭和29年には、北海道を中心に甚大な被害を及ぼした洞爺丸台風によって、数本の木が倒れてしまいました。そして昭和34年には並木に存続の危機が訪れます。台風14号の被害によって10本以上が倒木したことを受け、大学では安全性を考慮してすべての木の伐採が検討されていたのです。しかし、そんな折に一人の小学生が道知事に宛てた「私たちのポプラがかわいそう。植え直してあげてください」という手紙をきっかけに、道と大学の協力により植え直しが行われ、以前よりも長い全長300mに及ぶ並木に生まれ変わりました。こうして危機を乗り越えた北大ポプラ並木でしたが、時間の経過とともに木々の老朽化が進み、倒木の危険性があることからその周辺が立ち入り禁止区域とされました。そして平成16年には、並木を再び台風の脅威が襲い、半数近くもの木が倒れてしまいました。その後数多く寄せられた並木の再生を願う人々の声に後押しされ、大学は並木再生のプロジェクトを実施しました。2本の倒木の立て直しに成功し、さらに若木の植樹も行われ、現在では約80mの並木道が公開されています。また同時に、倒れてしまったポプラの木を工芸品として甦らせようという取り組みも行われました。その時に作られた「ポプラのチェンバロ」が大学の総合博物館に展示されており、実際にチェンバロの音色を楽しむことができるコンサートもしばしば開催されています。  そしてキャンパス内にはもう一つ、「平成ポプラ並木」があります。この並木は、北大ポプラ並木の老朽化を受け、平成12年に北大創基125周年を記念する事業の一環として、既存の並木から少し離れた場所に植樹が行われ誕生しました。この時に植樹されたのは、既存の並木から採取した枝を挿し木にして育てられたものだそうです。北大の二つのポプラ並木は親子なのですね。この平成ポプラ並木は、東西に全長約300mにおよび70本のポプラが植えられており、その背後には手稲山(ていねやま)を望むことができます。また、並木の南側に広がる広大な農場では、牛や羊たちが一心不乱に草を食み、更に目線を遠くへやると、札幌駅に隣接するJRタワーをはじめとする高層のビルが建ち並びます。この景色を見ると、まず真っ先にイメージするような北海道的な光景と都市的な景観との対比になんとも不思議な気持ちになります。  幾度となく危機に直面しながらも、人々の想いに支えられて今に至った北大ポプラ並木、そしてその生命をつないでいる平成ポプラ並木やポプラのチェンバロの物語を知り、ポプラの木々がより一層愛しいものになったような気がします。現在はふわふわの綿毛の季節はピークを過ぎてしまいましたが、夏の青空と入道雲に映えるポプラ並木はとても爽やかです。また、季節が巡り秋になると葉が黄色く色づきます。冬には裸木が真っ白な雪の中にしんと佇む姿がとても美しいです。北海道を訪れた際には、四季折々に表情豊かなポプラの木々に会いに行ってみてはいかがでしょうか。  小樽ショールーム https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html  参考資料 https://www.uekipedia.jp/落葉広葉樹③/ポプラ/ https://www.city.sapporo.jp/kitaku/syoukai/rekishi/episode/032.html https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%A4%A7%E3%83%9D%E3%83%97%E3%83%A9%E4%B8%A6%E6%9C%A8 https://www.museum.hokudai.ac.jp  #北大ポプラ並木 #平成ポプラ並木」8月5日 1時00分 - shokunincom

職人.comのインスタグラム(shokunincom) - 8月5日 01時00分


【北大ポプラ並木】

初夏の札幌の街を歩いていると、ふわふわと風に舞っているポプラの白い綿毛をよく目にします。北海道に来たばかりのころ、ポプラという植物になじみがなかった私は、この綿毛が道端などに降り積もっている光景を見て、まさか季節外れの雪が降ったわけではあるまいなと大変驚いたのを覚えています。

ポプラは、ヨーロッパや北米などを原産とする落葉紅葉樹で、ヤナギの仲間にあたる樹木です。雄株と雌株との区別があり、雌株には春になると紐のような形をした花が咲き、初夏には果実が成熟します。熟した果実からは白い綿毛をつけた種子が飛び出し風に舞います。この綿毛はヨーロッパでは「夏の雪」とも呼ばれ、ポプラの雌株が生えている場所では、まるで雪が降り積ったかのように辺り一面が真っ白になることもあります。また、綿毛が特徴的であることからポプラのことを「コットンウッド」と呼ぶ地域もあるようです。

北海道にポプラの木が導入されたのは明治期のことで、主として防風林として利用されましたが、背が高く細長い樹形を生かして、農地の境界線を示す目印としても使われたようです。すらりと空へ伸びるポプラの木は大変美しく、北海道の観光スポットにもなっています。今回はその中から、札幌駅から程近い北海道大学のキャンパス内にある二つのポプラ並木をご紹介します。

「北大ポプラ並木」の歴史は明治36年にまで遡り、アメリカから持ち帰られ植樹された数本のポプラの木から始まりました。並木が誕生してからの歴史は台風との闘いでした。昭和29年には、北海道を中心に甚大な被害を及ぼした洞爺丸台風によって、数本の木が倒れてしまいました。そして昭和34年には並木に存続の危機が訪れます。台風14号の被害によって10本以上が倒木したことを受け、大学では安全性を考慮してすべての木の伐採が検討されていたのです。しかし、そんな折に一人の小学生が道知事に宛てた「私たちのポプラがかわいそう。植え直してあげてください」という手紙をきっかけに、道と大学の協力により植え直しが行われ、以前よりも長い全長300mに及ぶ並木に生まれ変わりました。こうして危機を乗り越えた北大ポプラ並木でしたが、時間の経過とともに木々の老朽化が進み、倒木の危険性があることからその周辺が立ち入り禁止区域とされました。そして平成16年には、並木を再び台風の脅威が襲い、半数近くもの木が倒れてしまいました。その後数多く寄せられた並木の再生を願う人々の声に後押しされ、大学は並木再生のプロジェクトを実施しました。2本の倒木の立て直しに成功し、さらに若木の植樹も行われ、現在では約80mの並木道が公開されています。また同時に、倒れてしまったポプラの木を工芸品として甦らせようという取り組みも行われました。その時に作られた「ポプラのチェンバロ」が大学の総合博物館に展示されており、実際にチェンバロの音色を楽しむことができるコンサートもしばしば開催されています。

そしてキャンパス内にはもう一つ、「平成ポプラ並木」があります。この並木は、北大ポプラ並木の老朽化を受け、平成12年に北大創基125周年を記念する事業の一環として、既存の並木から少し離れた場所に植樹が行われ誕生しました。この時に植樹されたのは、既存の並木から採取した枝を挿し木にして育てられたものだそうです。北大の二つのポプラ並木は親子なのですね。この平成ポプラ並木は、東西に全長約300mにおよび70本のポプラが植えられており、その背後には手稲山(ていねやま)を望むことができます。また、並木の南側に広がる広大な農場では、牛や羊たちが一心不乱に草を食み、更に目線を遠くへやると、札幌駅に隣接するJRタワーをはじめとする高層のビルが建ち並びます。この景色を見ると、まず真っ先にイメージするような北海道的な光景と都市的な景観との対比になんとも不思議な気持ちになります。

幾度となく危機に直面しながらも、人々の想いに支えられて今に至った北大ポプラ並木、そしてその生命をつないでいる平成ポプラ並木やポプラのチェンバロの物語を知り、ポプラの木々がより一層愛しいものになったような気がします。現在はふわふわの綿毛の季節はピークを過ぎてしまいましたが、夏の青空と入道雲に映えるポプラ並木はとても爽やかです。また、季節が巡り秋になると葉が黄色く色づきます。冬には裸木が真っ白な雪の中にしんと佇む姿がとても美しいです。北海道を訪れた際には、四季折々に表情豊かなポプラの木々に会いに行ってみてはいかがでしょうか。

小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html

参考資料
https://www.uekipedia.jp/落葉広葉樹③/ポプラ/
https://www.city.sapporo.jp/kitaku/syoukai/rekishi/episode/032.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%A4%A7%E3%83%9D%E3%83%97%E3%83%A9%E4%B8%A6%E6%9C%A8
https://www.museum.hokudai.ac.jp

#北大ポプラ並木 #平成ポプラ並木


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2023/8/5

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