猫沢エミさんのインスタグラム写真 - (猫沢エミInstagram)「《パリ・盗難日記 / 2日目》「少し寝ないと……明日は朝から警察署にも行かなきゃいけないし、銀行もだからキツイと思うよ」そう彼に促され、ベッドに倒れ込むも、悪夢にうなされ汗びっしょりかいて2時間で目が覚める。目覚めても、そこにあるのは悪夢だった。しかし、悠長に凹んでいる時間はない。彼のフライトは今夜。しかも運が悪いことに、今日はオルリー空港でストがあり、40％の便が欠航予定。幸いにも彼の乗る便は運行予定だが、こういう時は何が起こるかわからないので、３時にはオルリー空港へ向かうタクシーが迎えにくるよう予約済みだった。私のスットコ盗難事件によって、彼が飛行機に乗れないなどという事態悪化だけは、なんとしてでも食い止めなくては。私は近所のまどかちゃんに電話をして、被害届を出しにここを留守にする間、家にいてくれるようお願いし、彼は大家のポーリーヌのお姉さん（建築家のため、各分野の職人へのコネがある）が朝のうちにコンタクトしてくれた鍵職人に今日中に鍵をシステムごと替える算段をし始めた。彼は彼で、ヴァカンスに行けなくなってしまったどころか、泥棒がいつ押し入ってくるかわからない現状のまま、ここに私とユピガを置いてレユニオンに旅立つことだけは、どうしても避けたそうだった。 PCを立ち上げて、あきらめ気味でGPSを開いてみると…イタ👀私のiPhone‼︎ ってかどこよココ⁉️ってか犯人なぜSIMカードすぐに抜かんで、ご丁寧に充電までしてるわけ⁉️ すごいバカなのか、それとも実はハッカーで中のデータを盗もうとしているんじゃ…….最近見ている犯罪ドラマの影響で、妄想が止まらぬ〜〜😵‍💫犯人は、それから近くの街の中心地へ移動し、そして今朝GPSがさし示していた場所へ数時間で戻ってきた（後ほどサテリスで確認してみたところ、パリから南に33kmの一軒家が立ち並ぶ、郊外によくある静かな住宅街だった）。 GPSにいつまでも張り付いているわけにもいかず、まどかちゃんに家を預けて14区の警察署へ盗難被害届を出しに向かった。朝10時には着いていたが、それでも2時間待ちの末、個室に入って刑事さんとのインタヴューで書類制作で30分。その時点で時間は昼の12時半を回っていた。昨夜の急変から、彼の荷造りはストップしてしまい、それすらも終わっていないというのに「この近くにサングラスを注文しといたお店があるから寄ってもいい？」と、彼。なにコノ余裕👀 寝てないわ、精神的に追い詰められているわで、私の人格は崩壊寸前だというのに！その時、彼のケータイに1本の電話がかかってきた。ポーリーヌのお姉さんが手配してくれた鍵職人がすでに家の前に着いて待機しているとな。す、すごい！3時間で手配できるなんて、パリじゃほぼイリュージョンだよ✨　急いで家に戻って、鍵職人のムッシュを通して緊急工事開始。ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃーーーーーんと金属音を轟かせて、ムッシュはものの15分ですべての鍵のシステムを総取っ替えしてくれた。そして「これで、おたくんちのマダムもヴァカンスに行けるんじゃねえのかい？✨」と、ムッシュが浮かべたニヒルな笑みにハッとして、キャンセルをすでにかけておいた私のエアチケの状況を調べ始めた彼。えっ⁉️まさか、ヴァカンスに行けるとか⁉️と一瞬色めき立ち、急遽荷造りを始めようとするも、彼が「残念…！エミのチケット、もうすでにキャンセルされてた」。。。ち〜ん(꒪⌓꒪) そりゃそうだよね。まさか出発前までに鍵の交換が終わるなんて、誰も思ってなかった。それに、このメチャクチャな状態を放置してヴァカンスに行くのはしのびないし、このあと早急な手続きが必要なものがまだまだ残っている。なにより疲弊しきっていた私は、その時点でもう11時間のフライトで南半球の遠い島まで行く気力を失っていた。工事の爆音に怯えてクローゼットの奥に隠れているユピガのケアと、ただ、なにもかも忘れて眠りたかった。幸いなことに、もう鍵は交換されて、泥棒に押し入られる心配もなく、死んだように眠れそうだった。「レユニオンに着いたら、エミのエアチケの買い直しをオーガナイズして、追っかけでヴァカンスに来れるよう頑張ってみるから」彼はそう言ってタクシーに乗りこみ、オルリー空港へ向かった。無事に彼を送り出せた安堵感と、鍵が交換された安堵感で、その後、ベランダで目を点にしたまま1時間放心していた。　・ _ ・そして私は気づいてしまったのである。今日が13日の金曜日ということを。ハイ！ジェイソン、湖からどーん‼️ #猫パリ　#猫沢エミのインターナショナル五十路ライフシフト #猫沢エミリーパリへ行く　#猫沢エミのパリ盗難日記」10月17日 1時29分