有泉智子さんのインスタグラム写真 - (有泉智子Instagram)「こういう質問をよくいただくんですが、その職に就くために何をした、ということって実はあんまりないんですよね…。大学も経済学部で、メディア論だったりジャーナリズムだったり、あるいはライティングに役立ちそうな勉強をしたこともなかったし(経済学部を選択したのは、経済の流れや仕組みや背景を学ぶことが一番この世界の構造を知るのに役に立ちそうだったから。まぁ正直、ほんとに不真面目な学生だったけど。学生時代もっとちゃんと勉強しとけば良かったとほんとに後悔してます)。 あ、でも当時自分には学歴くらいしか武器がないなと思ってたので、編集部ではなく経営企画室を第一希望部署にして、とにかく入ってから頑張って異動できるようにしようという小賢しいことはやりました笑。面接でもその話して、結果、最初から編集部に配属してもらうことになりましたけど。・ ・ そもそも、MUSICAのスタッフ募集に応募してくださる方を見ていても、「音楽ライター」になりたいという人が「編集者」になりたい人よりも圧倒的に多いなと思いますし、私にこういう質問をしてくださる方もライター志望の方が多いんですが、私の場合、ライターになりたいと思ったことは一度もありません。というか、文章書きたい欲求も希薄な上に自分は文章を書くということに人より長けていると思ったことが一度もなくて、なのでライターとして身を立てるという発想が全くなかったんですよね。じゃあなんでこの仕事を選んだかというと、あくまで編集者として音楽雑誌が作りたかったから(けどインタビューしたいという気持ちは仕事始める前からあったな)。ただし、編集ができるならなんでもよかったわけではなく、「音楽雑誌の編集者」になりたくて、そうじゃないなら音楽に関わる仕事がしたいと思ってました。だから新卒で受けた会社のうち、出版社は採用された一社のみで、あとはレコード会社や広告代理店を受けました(その辺は軒並み見事に落ちたけど笑)。で、編集をやっていく中で、この記事は他のライターにお願いするより自分でインタビューしたり書いたりするほうが作りたいもの、その記事で解き明かしたいことや意図が達成できるなと思うものに関しては自分でやる、ということをやってきた結果、今のような在り方になりました。今でも、これは自分よりも他の人にインタビュー&ライティングしてもらったほうが良い結果になると思う場合は、積極的に他の人に依頼します。だからMUSICAの中でも、編集は私がやるけどインタビューやライティングは他の人という記事はたくさんあります。好きなんですよね、何を取り上げてどう見せるか、写真どう撮るかとかデザインどういう方向にするかとか考えること含めて、編集という仕事が。 ・ ただ、今この仕事をしている自分に役に立ってるなと思うことはいろいろあって、それはジャンルを超えて様々な音楽を文脈を意識しながらたくさん聴いてきていること、それを(自分の感覚や視点を盲信するのではなくむしろ疑いながら)ちゃんと根拠立てながら体系立てていくこと、あと案外みなさん軽視しがちなんですが、音楽以外のアートやカルチャーへの好奇心を失うことなくそれらにたくさん触れて楽しむこと、文字情報で知った気になるのではなく現場に遊びに行くこと、社会全体を俯瞰で見る視点を持つこと、ですかね。特に今書いた「音楽以外の〜」以降の部分、音楽に限らずアートに対する感性を磨くことや社会を見ることは編集者には絶対に必要だと思いますし、ライターにしても然りですよね。今の時代、音楽だけしか知らずに音楽について書くこと、あるいはインタビューすることは難しいと思います。 ちなみに過去、映画雑誌やカルチャー誌の編集をやっていたこともありますが(そもそも一番最初は、カルチャー政治文芸まで扱うちょっと分類不能な雑誌と音楽雑誌の両方を作る、会社の中でもやや特殊な編集部にいました)、その経験は確実に今に活きてると思います。 ・ 出版社への売り込みは、ライターになりたくて既にある程度ちゃんと文章が書けるなら、効果はあるんじゃないかな。とはいえ、ウチはかなり特殊なので、出版社一般を語れるような立場にはないんですけど。だから正直よくわかんない笑。でも、私の場合は常にライターは探しています。ブログ見てこの人書けそうだなと思って連絡して、うちのレビュー書いてもらうようになった方もいます。その時に重視するのは、文章力以外に、独りよがりではない客観性と、それを持ちながらもその人にしか書けないような視点があるか、ですね。 ・ もちろん音楽メディアの編集者やライターとしてやっていく上で必要だと思うこと、大事だと思うことは他にもいろいろあるんですが、ざっくりはこんな感じかな……。」9月3日 20時38分 - tomoko_ary

有泉智子のインスタグラム(tomoko_ary) - 9月3日 20時38分


こういう質問をよくいただくんですが、その職に就くために何をした、ということって実はあんまりないんですよね…。大学も経済学部で、メディア論だったりジャーナリズムだったり、あるいはライティングに役立ちそうな勉強をしたこともなかったし(経済学部を選択したのは、経済の流れや仕組みや背景を学ぶことが一番この世界の構造を知るのに役に立ちそうだったから。まぁ正直、ほんとに不真面目な学生だったけど。学生時代もっとちゃんと勉強しとけば良かったとほんとに後悔してます)。 あ、でも当時自分には学歴くらいしか武器がないなと思ってたので、編集部ではなく経営企画室を第一希望部署にして、とにかく入ってから頑張って異動できるようにしようという小賢しいことはやりました笑。面接でもその話して、結果、最初から編集部に配属してもらうことになりましたけど。・

そもそも、MUSICAのスタッフ募集に応募してくださる方を見ていても、「音楽ライター」になりたいという人が「編集者」になりたい人よりも圧倒的に多いなと思いますし、私にこういう質問をしてくださる方もライター志望の方が多いんですが、私の場合、ライターになりたいと思ったことは一度もありません。というか、文章書きたい欲求も希薄な上に自分は文章を書くということに人より長けていると思ったことが一度もなくて、なのでライターとして身を立てるという発想が全くなかったんですよね。じゃあなんでこの仕事を選んだかというと、あくまで編集者として音楽雑誌が作りたかったから(けどインタビューしたいという気持ちは仕事始める前からあったな)。ただし、編集ができるならなんでもよかったわけではなく、「音楽雑誌の編集者」になりたくて、そうじゃないなら音楽に関わる仕事がしたいと思ってました。だから新卒で受けた会社のうち、出版社は採用された一社のみで、あとはレコード会社や広告代理店を受けました(その辺は軒並み見事に落ちたけど笑)。で、編集をやっていく中で、この記事は他のライターにお願いするより自分でインタビューしたり書いたりするほうが作りたいもの、その記事で解き明かしたいことや意図が達成できるなと思うものに関しては自分でやる、ということをやってきた結果、今のような在り方になりました。今でも、これは自分よりも他の人にインタビュー&ライティングしてもらったほうが良い結果になると思う場合は、積極的に他の人に依頼します。だからMUSICAの中でも、編集は私がやるけどインタビューやライティングは他の人という記事はたくさんあります。好きなんですよね、何を取り上げてどう見せるか、写真どう撮るかとかデザインどういう方向にするかとか考えること含めて、編集という仕事が。

ただ、今この仕事をしている自分に役に立ってるなと思うことはいろいろあって、それはジャンルを超えて様々な音楽を文脈を意識しながらたくさん聴いてきていること、それを(自分の感覚や視点を盲信するのではなくむしろ疑いながら)ちゃんと根拠立てながら体系立てていくこと、あと案外みなさん軽視しがちなんですが、音楽以外のアートやカルチャーへの好奇心を失うことなくそれらにたくさん触れて楽しむこと、文字情報で知った気になるのではなく現場に遊びに行くこと、社会全体を俯瞰で見る視点を持つこと、ですかね。特に今書いた「音楽以外の〜」以降の部分、音楽に限らずアートに対する感性を磨くことや社会を見ることは編集者には絶対に必要だと思いますし、ライターにしても然りですよね。今の時代、音楽だけしか知らずに音楽について書くこと、あるいはインタビューすることは難しいと思います。
ちなみに過去、映画雑誌やカルチャー誌の編集をやっていたこともありますが(そもそも一番最初は、カルチャー政治文芸まで扱うちょっと分類不能な雑誌と音楽雑誌の両方を作る、会社の中でもやや特殊な編集部にいました)、その経験は確実に今に活きてると思います。

出版社への売り込みは、ライターになりたくて既にある程度ちゃんと文章が書けるなら、効果はあるんじゃないかな。とはいえ、ウチはかなり特殊なので、出版社一般を語れるような立場にはないんですけど。だから正直よくわかんない笑。でも、私の場合は常にライターは探しています。ブログ見てこの人書けそうだなと思って連絡して、うちのレビュー書いてもらうようになった方もいます。その時に重視するのは、文章力以外に、独りよがりではない客観性と、それを持ちながらもその人にしか書けないような視点があるか、ですね。

もちろん音楽メディアの編集者やライターとしてやっていく上で必要だと思うこと、大事だと思うことは他にもいろいろあるんですが、ざっくりはこんな感じかな……。


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2019/9/3

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