平泉春奈のインスタグラム(hiraizumiharuna0204) - 11月29日 20時18分
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『鳴り響くチャイムの音と共に』
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トクン、トクン、トクン
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先生の心臓の音が聞こえてくる。
私と同じくらい、早い。
こんなに近くで先生を感じたのは、初めてだ。
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「……先生」
「……」
「先生」
「……うん」
「好きです。どうしようもないくらい……先生が好きです」
「……」
「伝えるべきではないって頭では分かってます。でも伝えないと自分がどうにかなってしまいそうで……」
「……ごめん」
「先生」
「ごめん。俺は君になにもしてあげられない」
「……」
「俺は君の教師だ。それに、幸せにしたい人は他にいる。だから……」
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分かっていたはずなのに
言葉で聞くとそれがどうしたって現実になる。
どこかで甘い未来を夢見てた。
どうあっても覆るはずのない現実から逃げて
自分の中にある溢れる想いが正義だとさえ思ってた。
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やっとのことで少しだけ近づけた先生との距離。
離れがたい気持ちを抑え込み意志の力で離れる。
「わかりました。ただ言いたかっただけです!」
必死に笑顔を作った。
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ドアのところまで早足に向かう。
でもドアに手をかけて足がピタリと止まる。
それはほぼ無意識に。
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「先生……」
もうこれ以上何を言うつもり
「私の事、ほんの少しでも1人の女の子として見てくれたこと、ありますか?」
自分で自分の傷をえぐりたいわけ
「少しでも女性として意識してくれたこと、ありますか?」
止まらない
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先生は暫く沈黙した後、いつもの優しい笑顔で答えた。
「あるわけないだろ!君は今もこれからも俺にとって大切な生徒の1人だよ。」
変わらない笑顔のまま、でも瞳の奥はどこか寂しげに見えた。
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ああ、あなたって人は本当に……
「ありがとうございます。卒業まで、宜しくお願いします。」
私は、深くおじぎをして、教室を後にした。
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ドアを閉めた瞬間、重苦しくチャイムが鳴り響いた。
その機械音はただ淡々と今起きた出来事を傍観しているみたいで
それが妙におかしくて、どこか安心して、
自然と涙がこぼれた。
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好き
好き
大好き
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先生の特別になりたかった。
先生の全てを独占したかった。
先生に1人の女の子として愛されたかった。
先生だから好きになったんじゃない。
あなただから、あなただったから。
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チャイムが鳴り終わり、廊下には静かな時間だけが残されていた。
早くここから動かないといけないのに、
どうしてだろう。
足が、動かない。
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教師と生徒。既婚者と未婚者。そして、大人と未成年。
隔たる壁はあまりにも高く、それでも止められない恋心は、相手にぶつけることでようやく1つの終着点に辿り着けるということもあります。
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ただそれはぶつける側の話。
果たしてぶつけられた側は?
明日、サイドストーリー(続編)公開します。先生は彼女の真っ直ぐな愛に何を想って、どこに進むのか。お楽しみに!
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2019/11/29