職人.comのインスタグラム(shokunincom) - 6月23日 10時59分


【マティス展】

上野の東京都美術館で「マティス展」が開催されています。ピカソと並ぶ20世紀の大人気アーティスト、その作品は世界中の多くの美術館で所蔵され、貴重さなどのために、大規模な展示会などの開催は容易ではありません。日本では1951年に東京国立博物館で回顧展が行われて以来、大きな展覧会は数えるほど、前回は2004年の国立西洋美術館でした。その時以来、約20年ぶりの大規模な回顧展となります。今回はパリのポンピドゥーセンターより約150点が出品され、現地でもこれだけ多くの作品が一堂に展示されることはないため大きな注目を集めています。

展覧会では、マティスの人生と画業について時代を追って紹介しています。人物を題材にした作品も多く、その時々を輝かせたモデルたちも登場します。なかでも「夢」に登場するロシア系女性のリディア・デレクトルスカヤは、マティスが64歳の時に出会い、彼の人生の中でも欠かせない女性となった一人のようです。彼女を題材にした作品は数多く存在し90点以上あるともいわれています。リディアという女性は良家に生まれた勉強熱心な女性でしたが、変革時代の中で孤児となり、中国ハルビンを経由し移民となって、20歳の時にパリに辿り着いたそうです。真面目で知性のあるリディアはマティスの助手の求人に応募し採用され、その後も、病弱だったマティスの妻の介護人として、秘書として、モデルとして才能を発揮しました。マティスが亡くなるまで22年間の生活を共にし、なくてはならない存在になるほどでした。原田マハさんの著書で『ジヴェルニーの食卓』の「うつくしい墓」という物語の中でも、マティスのアトリエ“オテル・レジナ”を舞台にアトリエを仕切る聡明な女性として描かれています。リディアは秘書としての給料をマティスの作品を買うのに充てたり、ミューズとして贈られる作品を保管して、祖国へ紹介し寄贈していました。今、ロシアのエルミタージュやプーシキン美術館にマティス・コレクションが多数あるのは、リディアのおかげだと言えそうです。マティスの死後も祖国ロシアとフランスをつなげる活動をして過ごしたとのこと。「夢」という作品は、“できる女”リディアがふと安心してうたた寝してしまったような、ちょっとほっとするような印象を受けました。

偉大なる画家の回顧展、マティス本人だけではなく、その人生に携わった、たくさんの人々のストーリーに触れてみるのも楽しみ方の一つかもしれません。一枚の絵の背景を知ることで、また一段と輝いて見えてきそうです。8月20日まで、ぜひ楽しんできてください。

東京都美術館 「マティス展」
https://www.tobikan.jp/exhibition/2023_matisse.html
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://jp.rbth.com/arts/86135-siberia-josei-ikanishite-matisse-muse-natta

@職人.com

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2023/6/23

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