平泉春奈のインスタグラム(hiraizumiharuna0204) - 4月5日 20時17分
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連作短編『恋は2度目から』
第5話 満たされた朝(栄治サイド)
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嗅ぎ慣れたシャンプーの香りと優しい温もりが
夢から覚醒する瞬間に現実味を帯びて押し寄せる。
目を覚ますと隣で彼女が寝息を立てていた。
あどけない、無防備な寝顔。ずっと欲してきた存在。
昨夜俺はやっと、彼女の心の中に入ることを許された。
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彼女の髪の毛に触れて、そのまま頬に指先を滑らせる。
彼女が少しだけピクリと動いた
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「夢みたいだ……」
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心の声が思わず漏れた。
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彼女に長く付き合ってる恋人がいることは、ずっと前から知っていた。
まだ若くて、おそろしく仕事ができるやつだったと記憶している。
彼女がそいつを見る目は恋をしている女の子そのものだった。
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その瞳に写りたいと思った。
ずっと彼女の気持ちをこちらに向けたかった。
だから……傷付いた彼女の悲しみにつけ込んだ。
そんなことしたって無駄だと思っていたが、
彼女は俺を選んでくれた。
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この愛しい存在は今俺の中にある。
でも、一体いつまでだ。
今度は失うかもしれない恐怖に怯えるのだろうか。
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「ん……あっ……」
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彼女が目を覚まし俺を見るなり赤面する。
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「おはよう」
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俺はそう言って彼女のおでこにキスをした。
彼女は恥ずかしそうに顔を下に向けて
「おはようございます……」と消え入る声で呟いた。
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俺は彼女をギュッと抱きしめた。
愛しい温もりが俺の心を包み込む。
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「昨夜、すごく可愛かった」
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ああなんでこんなセリフがこの子といると息を吐くように出てくるのだろう。
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「やだ……そんな恥ずかしいこと、言わないでください……」
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彼女がさらに顔を赤くする。可愛い。
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「3回もしちゃったね。身体、ダルくない?」
「いやなんかもう、色々ダメです……杉崎さん意地悪なんだもん」
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そう言って恥ずかしそうに俺の胸元に身を丸めた。
俺は笑いながら彼女の上に被さった。
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「え?あの……」
「もう1回、してもいい?」
「うそ……」
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ほんの少し湧き出た不安は
彼女の体温を感じているうちに消えていった。
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to be continued
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【登場人物】
早見 咲良(はやみさくら26歳)
杉崎 栄治(すぎさきえいじ30歳)
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連作短編『恋は2度目から』第5話でした!
こちらのお話はかなり久々の更新で忘れられてないか心配😅
前回やっと身も心も結ばれてなにやらハッピーエンド感が強かったのであれで一区切りついちゃった感じでしたが、実はまだ続きます!!
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そしてこの第5話、ようやく杉崎さんサイドでお送りしましたが、え?杉崎さん性欲が爆発してる!なんてツッコミはお控え下さいませ(笑)
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ようやく得た幸せには、同時に失う不安もセットで付いてくるもの。でもそんな実態のないものに怯えるなんてナンセンスです。今幸せと思えるのなら、その幸せに思いっきり浸ればよいのです。
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さて、次回は咲良の心の葛藤を描きます。彼女の過去も色々明らかになっていきます。お楽しみに!
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2020/4/5