平泉春奈のインスタグラム(hiraizumiharuna0204) - 6月7日 20時19分
連作短編『恋は2度目から』特別編
甘く愛しい時間の中で(咲良サイド)
「咲良、ちょっと来て」
「ん~?」
ベッドに座る慎一のそばに行くと突然手を掴まれ引き寄せられた。
「わっ!」
向き合った状態で膝の上に座らせられて、思わず胸が高鳴る。
付き合って1年も経つというのに、いまだに無防備な彼の姿にドキドキすることがある。
「もう……何よお」
「なんか触りたくなっちゃって。家だと隙だらけだよな、お前」
「あたりまえでしょ。慎一も家だと結構甘えん坊だよね。仕事の時は必要以上に冷たいくせに」
「そりゃあさ、公私混同は流儀に反するので」
「慎一らしい(笑)……あ、そういえばインターンの女の子が慎一のことカッコイイって言ってたよ」
「おお!マジで。どんな子?」
「うーん、元気な感じで可愛い子だよ。……ってなによ、気になるわけ?」
「お?」
「……なに」
「ふうん」
「だから、なに」
「妬いてんの?」
「ばっ……違うし!」
「安心しなさい。俺の目にはお前しか映ってないから」
そう言って慎一は私の頭を優しく撫でた。
会社の同期でお互い仕事に対する価値観が似ていた私達は、出会ってすぐに意気投合した。
時に熱くなり過ぎてぶつかる事もあったけど、悩みも含めて何でも言い合える仲になり
そのまま恋人同士になったのはあまりにも自然なことのように思えた。
今ではお互いの家に行き来して半同棲のように過ごしているけど
彼と一緒に過ごす時間はあまりにも幸せで……幸せ過ぎて、時々怖くなる。
「ん?どうした?」
どうやら悩ましい顔をしていたらしい。
慎一が私の顔を覗き込み、少し心配そうな顔をした。
「ううん……」
私は心に芽生えたわずかな不安をかき消すように、自ら唇を重ねた。ついばむように何度もキスを繰り返した後、ゆっくり舌を絡める。
慎一も何かを察したように、私の舌に応えていく。
少しずつお互いの息が荒くなっていく中、慎一は私のTシャツの中に手を滑り込ませてきた。長い指先が背中をなぞり、思わず甘い声が漏れる。
「ふっ、可愛い声」
慎一は耳元で囁きながら眼鏡を外し、私を押し倒した。
「……するの?」
「うん……いい?」
「ん……慎一……」
「……なに?」
「……大好き」
私は慎一の背中に腕を回した。
なぜだか、泣きそうになった。
どうかこの愛しい時間がいつまでもずっと、続きますように……
Fin.
【登場人物】
早見 咲良(はやみさくら24歳)
佐久間 慎一(さくましんいち24歳)
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連作短編『恋は2度目から』特別編をお送りしました!
先月最終話を迎えて、本当に沢山の方からコメントやDMを頂き胸が熱くなる気持ちでした。無事ハッピーエンドとなったこの作品でしたが、どうしても切なく去った慎一が忘れられないというメッセージも多く頂いたので、咲良と慎一2人のまだ幸せだった頃を書いてみました。慎一と上手くいく別の未来も書いて欲しいという希望もありましたが……そこは皆さんの心の中で自由に妄想を広げてもらえたら嬉しいです!
こうやってあとから2人の過去を書くと少し胸が痛みますが、それもまた人生。恋愛ってこういうものだよなあ……なんて思ってみたり。
これで本当に終わりです!最後まで見て下さってありがとうございました!
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2020/6/7