平泉春奈のインスタグラム(hiraizumiharuna0204) - 1月10日 20時09分
『そこへ行くことを許された子ども』
人に執着したのは初めてだった。
先生の少し寂しげな笑顔を見てしまった時
胸が苦しくなって息ができなくなって
どうしようもなく先生を……
彼女を抱きしめたくなった。
理屈じゃ片付かないこの感情が恋なのだとしたら
紛れもなくこれは、俺にとって初恋だった。
「先生、好きです」
「……だめ、離して」
「いやだ……俺じゃ、ダメですか?」
「そんな言い方……やめて」
「先生は大人かもしれないけど……俺なんかに比べたら全然大人だけど……でも子供みたいだよ」
「え?」
「だって先生、“寂しい”って顔に出てる。先生、大人ってさ、上手に嘘をつく生き物でしょ?先生はこんな俺なんかに全部バレてんだよ、先生がバカみたいに愛されたがってるのが」
「……なっ」
「俺はっ……先生が好きなんだよ!先生の全部が欲しいよ」
腕の中にすっぽり収まる彼女の身体から
ほんの少し力が抜けていくのを感じた。
こんな自己中でワガママな愛の告白
きっとバカみたいって思ってるだろうか。
それでも今の俺にはこうすることしかできなかった。
先生、俺のこと好きになって
「……きみの言う通りだよ」
彼女はポソっと呟く。
よく聞き取れなくて、顔をかがめて耳を近づけた。
「私はね、全然大人なんかじゃない。成人したって教師になったって……バカみたいなことで悩んだり不安になったり、時々存在ごと消えたくなることだってある。今こんな風に……きみに抱きしめられて、何とも思わないわけ、ない。」
「先生……」
「でもね、そんな感情といつだって戦い続けてるの。一つじゃないの。大切なものは、守らなきゃいけないものは沢山あるの。私は……大人だって胸を張って言えないけど、でも、大人でありたいって思ってるの」
そう言って彼女は俺の胸をゆっくりと押して身体を離した。
さっきまで泣きそうだったその瞳の奥には深くて強い光が宿っていた。
「私は、きみの場所には行かない」
強い口調でそう言い放つ。
絶望的な暗い闇が足元まで近づいてきた。
「でも」
彼女は笑ってた。
見たことのない優しい顔で俺を真っ直ぐ見つめる。
「きみが、ちゃんと大人になって……私のところに来なさい」
そう言って彼女は「先生の顔」をして俺に背を向けた。
心拍数が高まる。
拒絶じゃなかった。
その時の俺は
先生の……彼女の隣にいくことを
唯一許された子供だった。
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昨年末に“教師と生徒の禁断の恋3部作”を書きましたが、それの男女逆バージョンをしっかり書いてみたかったんです☺️
先生が男性のパターンの方が世の中的には多いとは思うんだけど、年上の女性に憧れる10代の男の子も多いと思うんだよね。
この物語を書きながら、女側としては10歳以上年下の教え子に真っ直ぐ恋をされたら一体どんな気持ちになるんだろうって考えました(もちろん自分が未婚の場合です)
逃げたくなるのか、受け入れたくなるのか…女性の皆さんはどうでしょうか?
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2021/1/10