ヤマザキマリさんのインスタグラム写真 - (ヤマザキマリInstagram)「クラスの中でひときわ小さく、勉強もビリで、喋っても吃音になってしまう、てっちゃんという子供がいた。てっちゃんのお父さんは炭鉱の事故で亡くなり、お母さんとふたりきりで市営住宅に暮らしていた。そんなてっちゃんが、ある日クラス中の羨望の的となる出来事があった。てっちゃんの、箱式ですらないチャック式の布の筆入れの中から、紫や透明の小さな輝石が幾つも出てきたのである。ところが、そこに集まっていた少年のひとりが、石の一つにシールの跡があるのに気がついた。よく見ると表面には「理科室」と示されている。『経済格差が今より歴然としていた昭和の子供事情を象徴する「筆箱」。転校していったてっちゃんの筆入れの中の輝石にどれだけ果てしない意味があったのか』新刊『扉の向う側』より https://fujinkoron.jp/articles/-/10132?page=4」11月15日 9時27分